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〈清原和博の次男も在籍〉慶應義塾高は勉強も野球も「特別扱いなし」…森林監督が語る「難しいけど、それがかっこいいぞ」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2022/12/24 06:00

〈清原和博の次男も在籍〉慶應義塾高は勉強も野球も「特別扱いなし」…森林監督が語る「難しいけど、それがかっこいいぞ」<Number Web> photograph by Kou Hiroo

慶應義塾高校の森林監督

「私にも連絡が入りますが、より赤松部長にストレートな情報が入りますね。定期試験ごとに全体の評価点が出たらすぐに回収して、全選手の成績を把握しています。このままだとまずいという選手は、定期試験の前は早めに勉強に入らせます。もともと1週間前から部活停止なんですが、2週間前などさらに早めに試験準備に入らせます。

 慶應義塾は、授業態度や提出物よりも試験やレポートの評価を重視します。他校だと赤点でも補習を受けさせたりして仮進級させますが、うちは手厚いサポートはない。なので、全体評価がボーダーラインより下だったら“点が足りないからもう1年頑張りなさい”と、あっさり留年が決まります。毎年1クラスに1人くらいは留年する生徒が出ているんですね」

 清原和博氏の次男で、慶應義塾高校在学中の勝児が留年したことが話題になったが、それほど珍しいことではないのだ。

“自分が成長するには、どう練習したらいいか”

「留年してすぐは本人も家族も落ち込んで、グラウンドに出てこないこともありますが、しばらく経ってから声を掛けます。どうしてもついていけない生徒は最悪の場合、転校を考えることもありますが、ほとんどの生徒は開き直ります。“結局、大学受験で1年浪人したのと一緒だ”と。どこかで開き直らないとやっていけないので。そのタイミングで背中を押すような声をかけるようにしています。清原勝児は、3年生時は公式戦に出場できませんが、練習や試合の機会を与えてサポートしていきます」

「文武両道」を求められる慶應義塾高校だが、一般的な高校のような「受験勉強」はほとんど存在しない。ほぼ全員が慶應義塾大学に内部進学するからだ。

「中には慶應で学べないようなものを学びたいと他の大学を受験するケースはありますが、基本的には内部進学です。だから他の高校生のように受験勉強に集中するような時期はありませんが、どの学部に行けるかは成績によって決まりますから、当然、競争もあります」

 では、森林監督は、野球ができることと勉強ができることにはどういう相関関係があると考えているのか?

「勉強が低迷していてもレギュラーという子は当然いるので、単純ではありませんが、勉強ができる子は、野球でも伸び率があるような気がします。高校生活の24時間で野球、勉学、私生活の時間をどう割り振っていくか。遠くから通っている子は通学時間が長い場合もあるのでなおさらですが、限られた時間で“自分が成長するには、どう練習したらいいか”を考えるのは、勉強も同様でしょう。うちは一律に練習させるだけでなく個人で選ぶ時間もあるので、そういうときに可能性が見えてきますね」

プロの世界でも慶應勢が目覚ましい活躍を見せている

 2022年は、慶應義塾高-慶應義塾大からプロの世界に進んだ2人が目覚ましい活躍を見せた。

【次ページ】 「大人と普通に会話できるようになろう」

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