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「浅田真央さんを目標に…」島田麻央14歳が4回転ジャンプを武器にジュニアの女王に! それでもトリプルアクセルにこだわる理由
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto
posted2022/12/15 11:02
ジュニアGPファイナルで4回転ジャンプを決め、205.54点の高スコアで優勝した島田麻央
演技後、濱田コーチと、ジャンプコーチのジスラン・ブリアンが「4回転、よくやった!」と言ってハグ。優勝が決まった瞬間、島田もやりきった表情で何度もうなずいた。
五輪出場のルールが変わっても「自分がやることは同じ」
インタビューでは、海外メディアからも年齢制限に関しての質問が相次いだ。しかし「ルールが変わっても、自分がやることは同じ。変わらず努力していきたいです」という受け答えを貫いた。
今の勢いがあるだけに、8年は長い時間に感じられる。しかし濱田コーチは太鼓判を押す。
「これから体型変化や、さまざまなことがある。良い時ばかりではないよ、というのは何度も彼女に伝えています。でも長年たくさんの選手を育ててきたなかで、あの子なら大丈夫、と私は思えます。それは彼女が、本当にまっすぐな子だから。どんな不調の時でも、ふてくされず、まっすぐに自分と向き合い、自分の力で調子を戻していく。その様子を見てきているので、大丈夫だと確信しています」
なぜ不調としっかり向き合えるのか。島田は言う。
「私の場合、良い調子の期間は長くなくて、悪い時のほうが多いと思っていて、だから(調子が)悪くてもいつも通り練習します。特に(年齢が)大きくなるにつれて、一生懸命練習しなかった後には後悔しますし、たくさん練習した後の解放感がすごく気持ち良いなと思うようになりました。一生懸命に練習しないと、物足りない感じがしてしまうんです。毎日ちゃんとすっきりして終わりたい、という気持ちがあるからです。でも、そこまで一生懸命やるのはスケートだけです」
猛然と突き進む島田にとって、一番の息抜きは「妹と、スケートとは関係ないたわいもない話をすること」。関西に引っ越して2年。「最初は言葉も違って変な感じがしましたが、いまは関西弁を聞くのは慣れたんですけど、自分では喋りません」と笑う。自分のスケート人生についてきてくれた妹のためにも、迷いはない。これから訪れる紆余曲折のすべてを魅力へと昇華し、21歳の夢舞台へと進んでいく。
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