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「浅田真央さんを目標に…」島田麻央14歳が4回転ジャンプを武器にジュニアの女王に! それでもトリプルアクセルにこだわる理由
posted2022/12/15 11:02
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Asami Enomoto
トリノ五輪が開催された聖地・パラベラ競技場で開かれた2022年グランプリファイナル。今大会のシニア、ジュニアを通じて女子唯一の4回転ジャンパーである島田麻央が、14歳にしてジュニアの女王へと駆け上った。
「トリプルアクセルと4回転、2本を揃えることを目標にしていたので、アクセルを失敗した時は悔しかったんですけど、切り替えて、4回転を降りられたことは良かったです。すごい選手が集まった大会で優勝できたことは嬉しいし、自信にもなりました」
総合205.54点での優勝は、そのままシニア女子に出ても2位という高得点。表彰式では、147センチの小柄な身体にはリボンが長すぎて、金メダルがスカートのあたりに届いてしまう。島田は大切そうにメダルを持ち上げ、顔の横に掲げてみせた。
ジュニアGPファイナルは、かつて浅田真央も優勝し、世界へと羽ばたいていった登竜門。しかし島田は、2026年五輪には年齢が足りず、五輪のチャンスは8年後の2030年である。映えある優勝と、この先続く長い道のり。表彰式でパラベラの壁にしるされた五輪マークを見つめていた彼女の目には、どんな未来が映っているのだろうか。
浅田真央さんを目標にしているので…
2008年10月生まれ。同年3月の世界選手権で女王となった浅田真央にあやかり「麻央」と命名された。東京でスケートを始めると、ジャンプで才能を表し、10歳にしてノービスBで優勝した。
「浅田真央さんを目標にしているので、真央さんみたいな、見ている人が笑顔になる演技をして、オリンピックや世界選手権で優勝できるような選手になりたいです」
より高みを目指し、2020年春、関西に拠点を構える濱田美栄コーチのもとへ移籍した。
「私のスケートのために、妹も一緒に小学校を転校することになりました。家族がそこまでしてくれるのだから、私は結果を出さなければならないと思いました」
まだ11歳の島田は、強い使命感をにじませていた。