- #1
- #2
サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
カタールW杯「日本代表ユニフォーム」が外国人に大人気な“2つの理由”を現地で聞いてみた「日本を応援するのは当然でしょ?」
text by
浅田真樹Masaki Asada
photograph byMasaki Asada
posted2022/12/14 11:02
今回、日本代表ユニを着用する外国人はカタール現地で多かったようだ。その理由を直接聞いてみた
また、日本対クロアチアの試合当日、アルジャヌーブスタジアムで出会ったシンガポール在住のドイツ人男性は、「2007年から2009年まで日本の航空会社で働いていて、赤羽橋に住んでいた」とのこと。
以来、日本がお気に入りだという彼は、日本代表のユニフォームに浦和レッズのマフラーという出で立ちで、入場ゲートへと向かっていった。
「日本はアジアの代表として戦っているのだから」
そしてもうひとつ、彼ら、彼女らが日本代表のユニフォームを着る理由、というより、それが最も多い答えだったのだが、「日本はアジアの国だから」というものだ。
なるほど言われてみれば、日本代表ユニフォームを身につけた外国人には、確かにインド系や東南アジア系の人たちが数多い。
そうしたうちの一組、マレーシアから来たという男性2人組は、「日本はアジアの代表として戦っているのだから、日本を応援するのは当たり前じゃないか」と意気盛んだった。
「日本はアジアの国。マレーシアもアジアの国。だから、僕らは日本を応援する。もしこの試合(クロアチア戦)に勝ったら、次の試合のチケットもどうにかして手に入れなくちゃ」
マレーシア国旗を肩にかけ、彼らはまるで自国を応援するように日本を応援してくれていた。
そして今度は、フィリピン出身で現在はドーハで働いているという夫婦。小さな子供をベビーカーに乗せ、クロアチア戦にやってきたふたりは、もともと日本のアニメが好きで「好きなアニメが何かなんて聞かれても、挙げ始めたらキリがないよ」というほどの日本びいき。しかも、「自分たちと同じアジアの国なのだから、日本を応援するのは当然でしょ?」と、逆になぜそんなことを聞くのかと、不思議がっているかのようだった。
民族衣装の下に着用するカタールの女性も!
とはいえ、アジアの代表である日本を応援してくれるのは、東南アジアやインド出身の人たちばかりではない。地元カタールの人たちも同様だった。
クロアチア戦直前、そろそろスタンドの記者席に向かおうかと思っていたときのことだ。黒いアバヤ(アラブの民族衣装)の下に、日本代表のユニフォームを着た女性の姿が目に留まった。
アバヤはアラブの女性が体の線を隠すため、身にまとうものであり、本来なら内側に着ているものを見せてはいけないはず。それ以前に、かつてならカタールを含め、アラブの国のスタジアムで女性観戦客を見ることなど、まずなかった。そもそも黒装束の女性をスタジアムで見かけること自体、今大会ならではの新鮮な体験だった。
にもかかわらず、アバヤの下にユニフォームを、それも日本代表のユニフォームを身につけた女性がいる。そのことに驚いた。