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「何かスゲェーな」栗山監督はダルビッシュ有に、かつてのイチロー・松坂の姿を重ねた…WBC制覇へ、対面して確認し合った“同士の魂”
posted2022/12/14 17:03
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
誰がつけたか、『弾丸ツアー』。カリフォルニア州サンディエゴで行われたMLBウインターミーティングの会場に侍ジャパンの栗山英樹監督が姿を現した。来春に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のミーティング及びイベントに参加するためだったが、指揮官は用を済ませると早々に帰国の途についた。
「(侍ジャパン監督として)日本でやることが山ほどあってね。もう帰らきゃいけないんだ。またね」
米国滞在は現地12月5日正午から7日午前0時までのわずか36時間。この間にダルビッシュ有に会い、ミーティングに出席し、メディア対応も果たした。加えるならば、ロサンゼルス便での渡航だったため、サンディエゴまで往復約6時間の車移動も強いられた。まさに『弾丸』。だが、首尾も最高となった。61歳の指揮官は疲れも見せず、喜びの表情を浮かべていた。
「ダルビッシュが出場も含め、いろいろなことを快諾してくれたからね。本当に来て良かったよ。最高の言葉をもらえた。ダルには本当に感謝しかないよ。久々にいい日だなと思えた」
真っ先に向かったのは、ダルビッシュのもとだった
米国入りした栗山監督が真っ先に向かったのは、サンディエゴに居を構えるダルビッシュのもとだった。シーズン終了後、ふたりは頻繁に連絡を取り合ってきた。その会話の中で、栗山監督はダルビッシュのWBC出場意思を確実に感じ取っていた。だが、それでもあえて足を運び、膝をつき合わせ、顔を見て話しがしたかった。直接会って話すことでしか分かり合えない心の奥底にある気持ちの部分を確認し合いたかった。