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しゃがみこむ木原に三浦が寄り添い…“りくりゅう”ペアがお互いに抱いていた“不安”「初めてプレッシャーと戦う経験に」<GPファイナル初優勝>
posted2022/12/12 17:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Asami Enomoto
ひとしきり涙を流し、喜びを分かち合ったあと、2人は、放心したような、あるいは感慨深いかのような表情で前をみつめていた。そのとき、どのような景色が2人には見えていたのだろうか――。
12月8日にイタリア・トリノで開幕したフィギュアスケートのグランプリファイナル。9日にペアのフリーが行われ、三浦璃来・木原龍一が優勝。日本のペアでは、史上初の快挙を成し遂げた。
三浦&木原はショートを終え「2人でほっとしています」
初日のショートプログラム『You’ll Never Walk Alone』ではパーフェクトに近い演技で自己ベストに迫る得点をマークし、トップに立つ。
「2人でほっとしています」
三浦はそう振り返った。演技を終えた直後から、2人の表情にも安堵と喜びがあった。
9日、フリーを迎える。
プログラム『Atlas: Two』の演技を終えたあと、三浦と木原は笑顔で互いをハグする。ただ、ショートプログラムの後とは、少し異なる表情を見せた。笑顔ではありつつも、木原は自分の頭を、こんこん、と叩いた。やがてしゃがみこむと、三浦が寄り添うように自分も膝を折り曲げ、見守るように木原をみつめた。
演技を終えて得点が出るまで、不安が大きかった、と2人は語る。