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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「僕は今のままじゃダメだな」権田修一が悔いた“経験のなさ” 「“シュミットを使え”と書かれていたのは知っている」「永嗣さんは…」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byKazuo Fukuchi/JMPA
posted2022/12/11 11:02
今大会、日本の守護神として先発出場し続けたGKの権田修一。本人に敗戦後、話を聞くと…
代表の練習で感じるスピードの違い
「毎回僕代表にくると、初日の練習はめちゃくちゃ集中します。なんでかって、スピードが違うんすよ。これはもう本当嘘じゃないし、やっぱJリーガーの選手にもわかってほしいから言いますけど、代表合宿に来てからJリーグのチームに戻って練習するとスローモーションに感じます。それはやっぱりパススピードとか判断のスピードとか代表に来ると全てが速いですよね。いつもきているから1日で慣れるんですけど、去年の3月かな、代表に海外組がたくさん入った時(W杯アジア2次予選)、国内組は衝撃を受けていて川辺駿なんかこのままじゃ駄目だって海外行きました。それぐらい差がある。(世界を戦うための代表とJと)ギャップは正直感じてしまうのでそこは本当に上げてかないと、いつまでたっても(世界とJのサッカーは)違う競技っていうふうに言われちゃうし。どんどんアップデートしてやっていかないと差は開く一方というか……」
ただ、Jリーグで日常を送っていたからこそ、代表でここまでできたという自負もある。
権田が語ったエスパルスに入って良かったこと
「普段Jリーグでやってても、この舞台でできないこともないなっていうのも思ったので。それはエスパルスでロティーナ監督とコーチがポゼッションを教えてくれたから。みなさんがどう思われるかわからないけど、僕昔よりは多分ボールを繋げるようになってるんです。だから本大会であれだけビルドアップ、やっぱ参加できた。ポルティモネンセのままだったら多分蹴っちゃってたので、それはエスパルスに入ってよかったことなんです」
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結果的に、権田はJリーグのエスパルスでのプレーで成長できた。だがそれはJリーグと海外の一長一短ではなく、やはり日常のレベルをあげる必要がある。
「普段からバルセロナとかレアル(・マドリー)とかと経験できる場にいかないと。日本のキーパーのレベルは上がらない」
あらためてそう結論付けた。自分よりその環境に近いところにいるのが、シュミットであり川島だった。一番理解できる仲間であり、刺激してくれるライバル関係。たった3人の世界がいかに濃密かは試合後、ベンチの二人がまず権田にむかって走り出す様からよくわかる。世界のトップレベルに近づくために、権田はまずは彼らのプレー環境に近づくことが4年後への近道。33歳から37歳の4年間は移籍も決して容易ではないだろうが、大きな気づきを得た分、何かをやってくれると期待したい。
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