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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
出場ゼロも大号泣、川島永嗣に聞いた“なぜ、そんなに泣く?”「悔しい、悔しい、悔しい…」「“今までと同じ”と言われるのは絶対納得いかない」
posted2022/12/11 11:03
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
クロアチア戦後、権田修一を抱きしめる川島永嗣の号泣はとても印象的だった。申し訳ないが、「え、そっちが泣く?」と思ってしまった。写真を見ながらくすっと笑いが込み上げてきつつも、こちらまで泣けてくる。ネット上を検索してみると同じ思いの方が大勢いて安心した。4大会目のW杯は、川島にとって初めて出場機会のないW杯になった。それでも涙を流すその表情だけで、川島がいかにこの大会に本気で向き合ってきたかが伝わってくる。
なぜ、そこまで悔しそうな涙を流すのか?
過去3大会に比べても悔しそうに見えるのだが、と聞いてみた。
「いや悔しいですよ。それはもう悔しいですよ」
2度続けて悔しいと言い、考えながら言葉を続けた。
「2010年のときから日本代表にね、いさせてもらってます。自分の人生全てをかけてね、やっぱりやってきたし、それはこの4年間も一緒だし。このチームなら絶対(ベスト8進出が)できると思ったし。そういう悔しさっていうのは当たり前というかそれだけ自分もかけてきた分、悔しかったですしこのチームでそれを成し遂げられなかったっていうのもやっぱりすごい悔しい」
短いコメントの中で3回も悔しいと言った。試合から1日たっても、まだ何かが脳内か体内でたぎっているようだった。
川島は所属するフランス1部ストラスブールでも今季はリーグ戦15試合で出場がない。昨季は1試合、一昨季は24試合に出場しており、数字だけ見れば状況は年々厳しくなっている。現在39歳で、状況を受け入れても良さそうにも思うがクラブで試合に出場できなければ悔しくてひとり家で暴れることもあるという(文字通り暴れるわけではないだろうが)。9月の日本代表合宿で控え選手としてW杯に向かうことになりそうだがと尋ねた時も、「試合に出たい気持ちがなくなったら現役なんてやめたほうがいい」と言い切った。