サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「W杯では自分は“持ってなかった”」全4試合先発で無得点、鎌田大地26歳が敗戦後に明かした“重圧”「みんながしっかりしてたのに…」
posted2022/12/07 17:01
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Koki Nagahama/JMPA
4戦全てに先発したものの、無得点。鎌田大地にとって初めてのW杯はほろ苦いものとなった。
ブンデスリーガ今季13試合に出場し7得点3アシスト、欧州CL1次リーグ3得点の実績をひっさげての大舞台だった。初戦の対戦相手ドイツのメディアはこぞって鎌田に注目した。ドイツ戦前、GKノイアーがキーマンにあげたのも鎌田、試合前日会見でフリック監督やキミッヒへの「日本対策は?」という類の質問も要は「鎌田をどう見るか、鎌田をどう抑えるか」だった。だが、期待の攻撃力はなりを潜めたまま4試合が終わった。
ドイツ戦は「史上最悪の試合になるところだった」
鎌田はどう見ても本調子ではなかった。ドイツ、スペインという格上との対戦で日本は守勢にまわり、鎌田も戦術のある種の犠牲となり守備に追われることになったのは致し方のないことだ。だが、それだけではなく、単にトラップが足につかず、普段なら見せないパスミスを連発したこともあった。幸いドイツ戦には勝利したが「史上最悪の試合になるところだった」と自身の出来に落胆した。大会を通して、何かがうまくまわっていないように見えた。
「まあもちろん最低限やるべきことはやったと思いますけど、僕への期待値的には間違いなく得点は取って欲しかった選手だと思うし、まあそういう部分はね、みんながしっかりしてたのに自分はできなかった」
僕はイージーミスをしてはいけない選手
ストライカーではないが、それでも得点を期待されての4戦連続先発だったことを重々理解していた。
周囲からの期待を感じると同時に、鎌田は自分で自分に負荷をかけているようにも見えた。例えばフル出場したコスタリカ戦後、敗戦を悔やむ中で「僕はイージーミスをしてはいけない選手」と独特な言い回しで自身を表現した。自分自身のタイプを規定し、期待しているとも追い込んでいるとも取れる発言を選手から聞くことはあまりない。少なくとも今大会中は他の選手からは聞かなかった類の発言だ。また、周囲から期待されることは自分に何かしらの影響があった、と認める。