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「色々と言われているのを見て…」田中碧はなぜ“怒り”を口にしたのか? スペイン撃破弾を呼び込んだ信念と反骨心「神様がご褒美を」

posted2022/12/02 17:38

 
「色々と言われているのを見て…」田中碧はなぜ“怒り”を口にしたのか? スペイン撃破弾を呼び込んだ信念と反骨心「神様がご褒美を」<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

スペイン戦後、充実した表情を浮かべる田中碧。多くの批判や逆境に立ち向かい続けてきた先に、最高の「ご褒美」が待っていた

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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Kaoru Watanabe/JMPA

 またしても、日本が世界を驚かせた。

 12月1日(現地時間)に行なわれたカタールW杯のグループステージ第3戦で、日本がスペインを2対1で下した。前半を0対1で折り返しながら、後半の2連弾で試合を引っくり返したのである。

 逆転ゴールが決まったのは、後半開始から間もない53分だった。残り時間はまだたっぷりある。4年前のベルギー戦がフラッシュバックするところもあったが──あの試合は48分と52分の得点で、2対0とリードした──今回は2対1のまま試合をクローズさせることができた。

W杯初先発の谷口彰悟が示した「自信」

 ピッチに立った誰もがハードワークした。ベンチも一体となって戦った。そのなかでも、谷口彰悟の活躍には触れるべきだろう。

 グループステージを自力で突破するには勝利が必要な試合で、31歳の背番号3は今大会初めてピッチに送り出される。3-4-2-1の左CBを任された。

「いつチャンスが来てもいいような準備はしていましたし、初めてピッチに立たせてもらって、もちろん緊張はしました。でも、比較的落ち着いてゲームに入ることができました」

 前半11分の失点シーンでは、マークがひとつずつズレていったところを突かれた。「0対0の時間を長くする」というプランが早々に崩れてしまったが、それも想定外ではない。

「とにかく我慢強く戦うというのは、試合前からみんなで話していました。0対1でしっかり我慢をしながら、最少失点で抑えながらチャンスをうかがう、と」

 前半終了間際には、日本の右サイドからカットインしてきたダニ・オルモのシュートを、身体を張ってブロックした。日本は0対1でハーフタイムを迎えることができた。

 ビルドアップでも存在感を示した。ボールを保持するのが難しい展開のなかで、谷口はしっかりとボールを動かした。パスの矢印を前へ向けた。所属する川崎フロンターレで見せているプレーを、そのまま表現していった。

【次ページ】 「残るんじゃないか…」仲間を信じて走った田中碧

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