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「色々と言われているのを見て…」田中碧はなぜ“怒り”を口にしたのか? スペイン撃破弾を呼び込んだ信念と反骨心「神様がご褒美を」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2022/12/02 17:38
スペイン戦後、充実した表情を浮かべる田中碧。多くの批判や逆境に立ち向かい続けてきた先に、最高の「ご褒美」が待っていた
コスタリカ戦は出場機会が巡ってこなかった。ケガから回復した守田英正が、遠藤航とダブルボランチを組んだ。そのコスタリカ戦で遠藤が右ひざを負傷し、スペイン戦で再びスタメン出場の機会を得た。
「ケガ人が出てチャンスをもらっている部分もあったので、自分が出ている以上は結果を残してポジションを勝ち取りたいですし、いまこの状況ですごくうまくなるかと言ったらそうじゃない。そう考えると、目に見える結果を残すのが一番手っ取り早い。それを残せたのは良かったですし、自分がここで点を取ると信じてやってきたし、ずっとイメージしてやってきたので。それを現実にすることができて、少しは自分がやってきたこと、いままでの人生を含めて、自分がサッカーと向き合ってきたことに神様がご褒美をくれたのかなと思います」
コスタリカ戦後の批判には「正直腹が立つ部分も」
チームはグループステージを首位で突破した。田中は「勝ったことも嬉しかったですけど、次のステージへ行けることが一番嬉しかった」と話す。
「前の試合でコスタリカに負けて、色々な選手が色々と言われているのを見て、正直腹が立つ部分もあった。同じ国民なのになぜ一緒に戦ってくれないのかと思ったし、見返してやるじゃないですけど、ここでもう一回勝って全員で次のステージで戦いたいというのがあった。どれぐらいの人がこの試合を観てくれたのか分からないですけど、勝ってまた次の試合に挑めるチャンスを自分たちはつかみ取った。それが一番嬉しいです」
W杯初出場の谷口も、W杯初得点の田中も、試合前から注目を集めていたわけではなかった。そうした選手が勝利に貢献できるところに、このチームの強みがある。
グループ首位でのベスト16入りは自国開催の2002年以来で、2大会連続の16強は史上初だ。世界を驚かせ続けているチームは力強い追い風をつかみ、12月5日のクロアチア戦に挑む。
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