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《スペイン戦はどう戦う?》森保監督が「カウンターは参考になった」と語っていた、バルサの“あの試合”とは?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byHiroyuki Nakamura
posted2022/12/01 11:00
バルセロナでもスペイン代表でも抜群のパスセンスで攻撃の核となるペドリ
二宮 いきなり3−4−2−1もあるんじゃないでしょうか。今年4月、森保監督にインタビューした際、鎌田が出場したEL準々決勝フランクフルト対バルセロナのファーストレグ(スコアは1−1)を現地で視察しているんですよ。バルセロナを仮想スペインとして見立て「ビルドアップをうまく止めて攻撃に出ていくカウンターは参考になった」と語っていましたから。
3−4−2−1のフランクフルトは守備時5バックにして、高い位置をキープし、全体をコンパクトにしていました。そこで奪って迫力を持って出ていくことで、セカンドレグはアウェーながら3−2で勝利しています。冨安健洋が起用できる状態なら、ドイツ戦のように左ストッパーに入れる形を考えているんじゃないか、と。冨安からの精度の高い左足からのパスはチャンスを捻出できますから。
デスク 冨安の話がでましたけど、日本のメンバーはどうなりますかね?
再び世界を驚かすために
二宮 コスタリカ戦で先発から外れた前田大然、久保建英、伊東純也、田中碧はスタメンに戻ってくるんじゃないでしょうか。遠藤は右ひざ痛で厳しいという報道が出ていますし、鎌田も疲労からどれほど回復できるかですよね。本当ならコスタリカ戦の前半でリードして、ドイツ戦でフル出場した2人を後半早めに交代させたかったのではないでしょうか。それができなかったのは誤算だったはずです。
スペイン戦は前半耐えて後半勝負という見方もあるとは思いますが、ドイツ戦のように1点で済まなかった場合、前半だけで勝負が決まってしまう可能性だってある。三笘薫のドリブルはスペイン相手にも非常に有効だと感じるので、「前半から勝負」というスタンスならスタートからもあり得るのではないでしょうか。
デスク 1トップは浅野拓磨ではなく前田ですか?
二宮 浅野は復帰したカナダ戦からコンディションを上げてきたとはいえ、森保監督は長い時間プレーさせることを考えていないようにも感じます。前田で行けるところまで行って、浅野投入というプランなのではないでしょうか。
デスク 前半の入り方が凄く重要になりそうな気がします。ここはドイツ戦、コスタリカ戦の反省も踏まえて戦ってもらいたいですよね。
二宮 コスタリカ戦の消化不良をすべてぶつけてほしいですし、勇敢に戦って再び世界を驚かせてほしい。ドイツから勝ち点3を奪ったのだから、スペインからだって不可能ではないはずですから。