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《スペイン戦はどう戦う?》森保監督が「カウンターは参考になった」と語っていた、バルサの“あの試合”とは?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byHiroyuki Nakamura
posted2022/12/01 11:00
バルセロナでもスペイン代表でも抜群のパスセンスで攻撃の核となるペドリ
二宮 渋谷編集室の企画で、前回ロシア大会まで日本代表のコンディショニングコーチを務められた早川直樹さんにインタビューした際、「(ロシア大会では第2戦の)セネガル戦の翌日には出場機会の少ない選手がトレーニングパートナーとして帯同していたU−19代表チームとフルコートで試合形式のトレーニングを行なえたことで、サブ選手のコンディションを高いレベルで維持することができた」と語っていたのがとても印象的でした。今回は欧州各国のリーグの中断から時間が空いてないとはいえ、代替策がないとなるとスペイン戦でその影響が出てこないか心配ですね。
デスク そのスペイン戦の話に移っていきましょう。状況としてはどのチームもラウンド16進出の可能性が残されているとはいえ、スペインは得失点差を考えると、たとえ日本に負けたとしても大差でない限り、突破は間違いありません。仮に日本が引き分けた場合、コスタリカがドイツに勝てばコスタリカの突破が決まるし、ドイツが2点差以上で勝てばドイツの突破が決まる。つまり日本が確実に自力突破するためには、ドイツ戦に続くアップセットを起こす必要があります。
スペイン戦の基本戦術とは?
二宮 昨夏、東京オリンピック準決勝で対戦したときもペドリはちょっとした動きでフリーになるし、パウ・トーレスはそこを見逃すことなく狭いところでもパスを通してくるし、どう封じこめようとしてもなかなかに難しい。オリンピックは90分間何とか無失点で切り抜けられましたが、今回はフル代表相手です。
スペインはその先の戦いも見据え、多少なりともメンバーを入れ替えてくるとは思いますが、1点で済めばいいくらいに思っておいたほうがいい。そう考えると2点は取らないといけません。相手はパスの本数も多いわけですし、ブロックのなかに向こうのほうから入ってくることになるので、なるべく高い位置で網に引っ掛けて素早く攻めに転じたいですよね。
デスク 日本は、ここまでの2試合と同じように4−2−3−1でスタートすると思いますか?