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「狙いどころかもしれないのは…」スペインに1-1、ドイツ記者が語る“無敵艦隊”の弱点とは?「カマダの出来も重要」「CBは好選手。でも…」

posted2022/12/01 11:20

 
「狙いどころかもしれないのは…」スペインに1-1、ドイツ記者が語る“無敵艦隊”の弱点とは?「カマダの出来も重要」「CBは好選手。でも…」<Number Web> photograph by Getty Images

ブンデスリーガ公式サイトで長年ライターとして活躍しているカルロ・ヘアマン記者にスペイン攻略のヒントを教えてもらった

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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 カタールワールドカップのグループステージでの戦いもいよいよ佳境に差し掛かってきた。スペイン、ドイツ、コスタリカ、そして日本が所属するグループEでは、4チームすべてに決勝トーナメント進出の可能性を残して、3試合目を迎えることになっている。

 今回はブンデスリーガ公式サイトで長年ライターとして活躍しているドイツ人ジャーナリストのカルロ・ヘアマン記者に《日本戦の振り返り》《スペイン戦で見せたドイツ復調のきっかけ》《ドイツのコスタリカ戦に向けての展望》《そして日本がスペインと戦ううえでの注意点》などについて話を伺った。(全2回のうち第2回/前回は#1へ)

ビッグチャンスの数はそこまで多くないスペイン

――実際にスペインとの試合をみた後で、弱点と言えそうなところはありますか?

ヘアマン 10年前のシャビ、イニエスタ、プジョル、ラモスらがいた時代と比べたら多少こぢんまりとしているかもしれませんが、スペインはいまも昔もボールを支配させたら非常に強烈なチーム。今大会でも優勝候補の一角に数えられている国です。正直弱点と呼べるだけのものはほとんどみられません。非常にレベルが高い。戦術理解は極めて高いですし、スピードのある選手も多い。

 ただ弱点と呼べるものかどうかはわかりませんが、あれだけのボール保持率とボールの運び方ができるチームでありながら、ビッグチャンスの数はそこまで多くないというのはあると思います。

 あとCBのロドリとラポルトの2人は好選手ですが、相手のどんな攻撃でも跳ね返せるDFではない。それにブスケッツも全盛期と比べたら衰えはあります。 ドイツ戦でイエローカードを1枚もらってますし、日本戦で欠場したり、あるいは出場してもそのあたり気をつけながらプレーしなければならないので、逆に狙いどころになるかもしれません。

スペインだってすべてでいい試合ができるかどうかはわからない

――スペイン代表監督のルイス・エンリケは「日本戦は勝ちにいく。グループ首位での突破を目指す」と話していました。スペインからすれば引き分けでも突破することはできるわけですが、そうした戦い方を選ぶ可能性はあると思いますか?

ヘアマン 引き分け狙いは危険だと思います。試合に負けるかもしれないし、同時刻に行われるドイツ-コスタリカの結果によってはグループステージ敗退の可能性だってまだあるわけです。コスタリカが勝った場合は2位での突破となりますし、それこそ日本に負けてコスタリカが勝つか、ドイツが8-0で勝ったらグループステージ敗退になってしまう。W杯のグループステージでそうした駆け引きに出るのは得策ではないですし、ルイス・エンリケはそのことをよく知っていると思います。

 ただスペインだってグループステージ3試合すべてでいい試合ができるかどうかはわからないですし、現時点でグループリーグ敗退の可能性が低いということが気持ちのゆとりにつながり、ここ2試合と比べて悪いパフォーマンスの試合となることもありえます。日本が勝ち点をスペインからとることは不可能なわけではない。

スペインで注目すべきは…

――スペインで注目すべき選手をあげるとしたら?

【次ページ】 日本のキーマンは?

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ロドリ
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