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今年のジャパンカップは“外国馬”がコワい? 出来は「昨年までの3割増か、それ以上」、シャフリヤール・ダノンベルーガら日本馬は勝てるのか
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2022/11/26 17:01
前走、天皇賞・秋では5着に敗れたシャフリヤール。ジャパンカップで頂点を掴めるか?
キャリア6戦のすべてが自国のものではあるが、5連勝中のテュネス(牡3歳、父ギュイリアニ、独・P.シールゲン厩舎)も怖い。直近3走はどれも圧勝で、8月の条件戦は6馬身差、9月のドイチェスセントレジャーは8馬身差、今月6日のGIバイエルン大賞は10馬身差。昨年の凱旋門賞を制し、今年は3着だったトルカータータッソの半弟という良血で、日本でもサリオスやシュネルマイスターなどのドイツ血統の馬が好結果を出しているだけに、面白い。サッカーでは勝ったが、競馬ではドイツにやられた、というシーンは充分あり得る。
外国馬の出来は「間違いなく昨年までの3割増か、それ以上」
これら3歳勢のほか、昨年のジャパンカップで外国馬最先着の5着となり、前走の凱旋門賞でも5着だったグランドグローリー(牝6歳、父オリンピックグローリー、仏・G.ビエトリーニ厩舎)も好走しそうだ。「同種目だが別競技」と言われる日仏のレースで上位に来た力はやはり怖い。
1着賞金が3億円から4億円に増額(来年からは5億円)されたこと以上に、東京競馬場の内馬場に国際厩舎が新設され、この秋から運用が始まったことが、質の高い外国馬の招待につながったと思われる。昨年までは、空港から白井の競馬学校の国際厩舎に移動して7日間の検疫を受けなければならなかったのだが、今年から、直接東京競馬場に入厩できるようになった。すべての施設が新しくて清潔で、扉にも網戸がついていたり、馬房のカメラで、ホテルにいるスタッフが遠隔で様子を確かめることができたりと、人馬が気持ちよく過ごせるようになっている。間違いなく、昨年までの3割増か、それ以上の状態で出てくると思っておいたほうがいい。
注目日本馬、シャフリヤールとダノンベルーガは?
日本馬の大将格は、昨年のダービー馬シャフリヤール(牡4歳、父ディープインパクト、栗東・藤原英昭厩舎)だ。昨年のジャパンカップは3着。今年初戦のドバイシーマクラシックで、日本のダービー馬による史上初の海外GI制覇を達成した。6月のプリンスオブウェールズステークス(4着)以来となった前走の天皇賞・秋では5着に終わったが、そこを使われて確実に状態はアップしている。