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「小学生の頃の憧れはヒデトシ・ナカタだよ!」W杯出場は逃したが…元インテル主将ラノッキアが語る“濃すぎなイタリア猛将+名DF伝説”
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byTakashi Yuge/Takuya Sugiyama
posted2022/11/23 11:02
ペルージャで特大のインパクトを放った中田英寿(2019年撮影)。ラノッキアの心にもその姿は焼き付いている
――さっき「何もキャリアに心残りはない」と言いましたが、21試合に出場したイタリア代表でW杯に出場できなかったことに悔いはない?
「そうだね。大会最終メンバーになるチャンスはあった。でも、最後のひと押しが足りなかったんだろうね。本当のことをいえば、W杯に出たかったという悔いはある。その分、インテルで全力を尽くすことに100%集中してきて、あまり気に留めないように努めてきたというのが本音だ。やはり代表での経験はかけがえのないものだよ」
キエッリーニ、ボヌッチ、そして…
――残念ながらイタリア代表はカタールW杯出場を逃しましたが、優勝4度の伝統国には見習うべき守備の真髄があります。代表レベルでプレーするとき、最終ラインで心がけていたことは何ですか?
「(※即答で)集中すること。集中することが決定的に重要だ。テクニックやフィジカルには個人差がある。ただしDF、とりわけセンターバックは90分間集中を切らさないことが絶対条件だ。極端な話、FWやMFがミスをしても大事にはならない。でも、CBがボールを後ろに逸したら、GKとゴールを無防備に晒すことになる。だから、ゲームの間中、集中し続けることはCBとして最低条件なんだ。偉大な先輩たちは皆そうだった。キエッリーニは95分目でも絶対にボールから目を離さない」
――代表、クラブを問わず、歴代チームメイトのベスト3センターバックを選ぶなら?
「1人目はキエッリーニとして、2人目はボヌッチ。……それから、友だちでもあるマテラッツィだ。どうしてもイタリア人に偏ってしまうけど仕方ない(笑)。優れたDFたちは、イタリアの歴史的特産品だよ」
第3回では、インテルでの“戦友”長友佑都との秘話やカタールW杯でのドイツ&スペイン攻略法などについて語ります。<#3へつづく>