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日本ハム新スタジアム問題はオトナの解決…そもそも「60フィートルール」は本当に必要なのか? 規則の”破り得”にさせない前向きな罰則を!
posted2022/11/16 17:01
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
JIJI PRESS
2023年に開業する「エスコンフィールド北海道」のファウルゾーンの一部が規定を満たさず狭くなっている問題で、日本ハムは11月14日の12球団代表者会議で非を認めて謝罪し、2023年オフから基準を満たすため2年がかりで改修工事を行う計画案を提示した。代表者会議ではこれを了承、来季はファウルゾーンが狭いままで公式戦を実施することを承認した。
これでようやく日本ハムは規格外の新球場で来年の開業を迎え、公式戦を行うことができるようになったわけである。
いわゆる大人の解決というヤツだった。
改めてこの問題を整理したい。
根本にあるのは日本ハムの明確な公認野球規則への違反だった。スポーツはルールで成り立っている。そのルールで決められた規定に反する球場を作り、公式戦で使おうとしたのだから問題は大きい。ここをすっ飛ばして、いきなり球場の規定への疑義や、ファンサービスに問題を転嫁するのはあまり論理的ではない。
日本ハムは「解釈の問題」と強弁したが…
まずはそのルールの問題を整理する。
公認野球規則2・01「競技場の設定」では本塁からバックストップまでの距離、塁線からファウルグラウンドにあるフェンス、スタンドなどの施設までの距離は60フィート(18・288メートル)以上が「必要」と規定されている。しかしエスコンフィールドのホームプレートからバックネットまでの距離は50フィート(15・24メートル)しかなかった。
日本ハムの説明では今回の規則違反が起こった原因については「FSE(球場を建設した株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント)および当球団において公認野球規則の解釈、認識が不十分であったことが挙げられ、もっと早期に本件について自ら気付き、関係各所に相談すべきであったと受け止めております」としている。