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《エリザベス女王杯》ジェラルディーナが見せた「良血女王に相応しい勝ち方」…一方、1番人気デアリングタクト“まさかの失速”の原因は?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2022/11/14 11:55
11月13日のエリザベス女王杯にて、GI初制覇となった良血馬ジェラルディーナ
「前走のレースを見せてもらって、これならと、自信を持って乗りました。道中もいい手応えで走っていましたし、直線も、いい瞬発力で堂々と走り抜けていました。こういう(重い)馬場も合っていた。彼女も、お母さんのようになると思います」
短期免許で来日し、2018年の阪神ジュベナイルフィリーズ(ダノンファンタジー)以来となるJRA・GI4勝目を挙げたC.デムーロはそう話した。
良血女王に相応しい圧倒的な勝ち方
今回、テン乗りで腕の立つ鞍上を得たこともそうだし、ジェラルディーナは、素晴らしい「運」を持っている。このレースで1~5着になった馬番は、18、13、15、14、11と、すべて外枠だった。
重賞初勝利を挙げた前走のオールカマーは内が有利なトラックバイアスで、1~3着の馬番が2、1、3だった。同馬は2番枠から出て勝利をおさめた。
もちろん、枠に恵まれただけで勝てるわけではない。ここ2戦は、これまで負けたのが不思議に思えるほどの強さを見せている。
これで16戦6勝。デビュー3戦目の未勝利戦で初勝利を挙げたときは鼻差だったが、ほかの5勝はすべて2着を1馬身半以上突き放している。
勝つときは突き放してしまうところも、良血女王に相応しい。
もともと運に恵まれていたわけではなく、昨年の転厩初戦はレース中に右手綱の尾錠が外れて8着になったり、その後3連勝するも賞金不足で秋華賞を除外になったりと、不運に見舞われたこともあった。つまり、この馬は、強くなって、運を引き寄せるようになったのだ。