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新庄剛志が苦手だった? ロッテ吉井監督が「ボコボコに打たれた」と語る苦い記憶とは…“野村克也”直伝のネーミング対決にも注目
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千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines
photograph byNaoya Sanuki / JIJI PRESS
posted2022/11/14 17:00
現役時代の吉井理人(右)が最も苦手としていたのが新庄剛志だった。2人はメジャーの舞台でも対戦経験がある
そんな2人には共通点がある。ニューヨーク・メッツに在籍していたこと、そして他界した名将・野村克也のもとでプレーしているという点だ。
吉井が初めて指導者となった日本ハム投手コーチ時代の2008年、指導に悩んだことがあった。選手に寄り添い、対話路線を基本方針としていたが、時には叱咤することも必要になる。それはどういう時なのか。当時、楽天監督を務めていた恩師のもとを訪ねた。ベンチに腰掛けながら練習を見守る野村の回答は至って明快でシンプルだった。
「オレは選手が手を抜いた時、準備を怠った時に叱る」
自身のポリシーと通じる回答であった。指導者としての道が見えた気がした。
「ワシも勝つのはもちろん、ファンに愛されるチームを作りたい。楽しい、面白いと思ってもらえるようなチーム。トレードで野村監督のもとで野球をして野球観が変わった。第二の人生が始まったし、おかげでメジャーにもいけた。メディアを通じての発言も一つ一つに意味があり、深みがあった」
“話題作り”を大事にした野村克也
10月7日、吉井監督は就任が決まるとすぐに宮崎に飛んだ。秋季教育リーグ(みやざきフェニックス・リーグ)に参加するためだ。
そこで二軍で12本塁打を放つなど躍動する2年目の山本大斗外野手に「ダイナマイト山本」と命名した。それは野村監督が阪神時代の2001年に足の速い選手7人を「F1セブン」と名付けた手法に似ているようにも見える。
新庄監督もまた、自らを「BIGBOSS」と名乗ってお茶の間に定着させ、今季もドラフト3位で獲得した加藤豪将内野手を「KG」と呼ぶなど、親しみやすいネーミングを考案している。
ID野球のイメージが先行する野村氏だが、野球ファンに楽しんでもらう趣向も忘れない人だった。話題作りも指揮官の手腕の1つ。その想いは今の監督たちにもしっかりと受け継がれているのだ。
吉井監督vs新庄監督など、新シーズンは見どころが多い。期待と希望に満ち溢れた新生・吉井マリーンズは着々と船出の準備を進めている。
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