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「いつもこんなところまですいません」新庄監督が期待する“逆輸入”加藤豪将ってどんな人? 現地記者が知る28歳の素顔〈大谷と同い年〉
posted2022/11/07 11:04
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
KYODO
「いつもこんなところまで来ていただいてすいません。本当なら(ニューヨーク・メッツの本拠地の)シティフィールドでお会いしたいんですけどね……」
笑顔を見せつつも、本当にすまなそうでもあった加藤豪将の複雑な表情が思い出深い。
加藤が属していたメッツ傘下の3Aチーム、シラキュースの本拠地はマンハッタンから車で約4時間のニューヨーク郊外。ニューヨーク市内に住む筆者が訪れるには便のいい場所とは到底言えないことを加藤は気遣ってくれたのだった。
日本人の両親に元に生まれ、アメリカで育った28歳の加藤は自分のことを“JRにも乗ったことのないガイジン”と称していたが、実際には礼儀正しさ、気遣いといった日本人らしさを十分に持った好青年である。
日本行きは「ほぼないですね」
今季までアメリカでプレーを続け、今年度のドラフト会議で日本ハムから3位指名を受けた加藤の入団が正式に決まった。本人にとっても大きな決断であったことは間違いない。今シーズンまではとにかくアメリカでの野球に精一杯で、日本でのプレーは本当に真剣には考えていなかった様子だったからだ。
「(日本行きを考えたことは)ほぼないですね。今年まではずっとメジャーに行きたい、行きたいっていう思いが頭にありました。3時間の試合のあと、残りの21時間はメジャーに行きたいって思いしかありませんでした」