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「ラグビー好きは優しい方が多い(笑)」豪華演出で日本vsオールブラックスをリッチ観戦! あわや大金星の激闘80分で生まれた一体感
posted2022/11/05 11:00
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Kiichi Matsumoto
試合開始の2時間前にして、早くも会場は桜のジャージで埋め尽くされていた。
ただ、ここは国立競技場でもなければ、パブリックビューイングが実施された秩父宮ラグビー場でもない。
ラグビー日本代表が4年ぶりにニュージーランド代表と真剣勝負を交えた10月29日、グランドプリンスホテル新高輪にて「ホスピタリティ・ライブビューイング」が開催された。同イベントは、印刷業界大手の凸版印刷が“新しいラグビー観戦のカタチ”を提案すべく、料理やゲストによる“おもてなし”と、大型スクリーンによる“試合観戦”を融合させたもの。大宴会場「飛天」には約800人を収容する円卓と3つのスクリーンが用意され、集まった新旧ラグビーファンはいつもとひと味違うリッチなスポーツ観戦を楽しんだ。
”決戦”にちなんだコース料理に舌鼓
受付でレプリカジャージを手渡された参加者たちにはすでに一体感が生まれている。そのムードをさらに盛り上げたのが、歴代のW杯に名を連ねてきた日本代表戦士だった。
多くのトライを刻んだ名ウィンガー吉田義人が「ワンチームで乾杯しましょう」と総勢10名のOBによる豪華トークショーの先陣を切ると、2015年W杯の“南アフリカ撃破”の立役者・ロック真壁伸弥(この日は最年少)が「今日の控室は非常にクセが強くて……」と笑いを誘う。屈強な肉体と独特なステップで日本を救ってきた伊藤剛臣は「実はもうビールを10本以上飲んでいます」と現役時代さながらのムードメーカーぶりを随所に発揮して会場を盛り上げた。
普段はなかなかお目にかかれない豪華な顔ぶれに圧倒されながらも、桜色のクリームスープやニュージーランドの国民食であるミートパイといった“決戦”にちなんだコース料理に舌鼓を打てば、お酒の量もラグビー談義も弾んでいく。
国立競技場にも負けない高揚感が…
日本とオールブラックスの対戦と言えば、145点という“大会史上最多失点”を喫した1995年W杯が思い出される。その試合で2トライを挙げたフランカー梶原宏之が「ニュージーランドが日本ラグビーを育てたと言っても過言ではない」とラグビー史を熱く語りかけ、87年W杯から3大会連続で日本代表ジャージを着たラトゥ・ウィリアム志南利は「ワタシの最後の代表戦がニュージーランド戦だった。日本と同じようにオールブラックスにもトンガやサモアをルーツに持つ選手がたくさんいるんですよ」とダイバーシティの意義を訴えかけた。