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「反対なんて知らん! 私の人生だ!」声優でMリーガー・伊達朱里紗が感じてきた“麻雀界からのイロモノ扱い”「それは…ありました(笑)」
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/11/04 11:00
KONAMI麻雀格闘倶楽部所属の人気Mリーガー・伊達朱里紗さん
伊達 それは……ありました(笑)。私はいわゆる“売れっ子声優”ではないですが、職業柄SNSのフォロワーさんも少なくはなかったですし、麻雀界的には「なんかイロモノが入ってきたな」と感じた方も間違いなくいたと思います。ただ、他の方も会社員をやりながら麻雀プロをやっていますし、私はそれがたまたま声優だっただけ。「麻雀と真剣に向き合う気持ちはみなさんと変わりません」という自負はありました。
――「麻雀プロになる」という決断に対して、周囲の反応はいかがでしたか?
伊達 友人たちは「すごいね」「やったほうがいいよ」って前向きな言葉をかけてくれましたね。母もすっかり優しくなって、「やりたいことやんなさい」と後押ししてくれました。周りの人にはすごく恵まれていたと思います。
ドラフト当日の涙
――そして2021年、所属する日本プロ麻雀連盟のタイトル・桜蕾戦で優勝し、EX風林火山が開催したオーディション(168人中8位、女性プロでは1位)でも結果を残したことで、一躍Mリーグのドラフト有力候補となります。「指名されるかも」という予感はありましたか?
伊達 桜蕾戦で優勝したときに「これ、Mリーグあるんじゃない?」って友人にも言われたんですけど、私は「いや、ない」と。ドラフト指名の基準になるであろう雀力や知名度を総合したときに、客観的に見て「自分は中途半端な存在だな」と感じていたんです。次期Mリーガーの候補として名前をあげていただいても、「え、ないと思います」みたいな(笑)。だからドラフト当日のことは、いま思い出しても脳が揺れるというか……。
――Twitterのつぶやきからも喜びと動揺が伝わってきました(笑)。
伊達 1人で中継を見ていたんですけど、そもそもKONAMI麻雀格闘倶楽部の1巡目は滝沢和典さん(2巡目で指名され同チームに加入)だと思っていたんです。そしたらいきなり名前を呼ばれて……。なんだろう、本当に涙が出てきて、手もめっちゃ震えました。人間ってビックリしすぎるとこうなるんだな、とそのとき初めて知りました(笑)。《つづく》
(撮影=杉山拓也、撮影協力=麻雀オクタゴン)
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