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異色の人気Mリーガー・伊達朱里紗が明かす“声優兼業のリアルな本音”「比率は8対2で麻雀が多い」「正直、葛藤している部分もあるんです」
posted2022/11/04 11:01
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph by
Takuya Sugiyama
開幕初日の10月3日に役満・四暗刻をアガるなど、2022-23シーズンも好調を維持する彼女の勝負強さの源泉とは。声優業と麻雀プロの“二刀流”の裏にある、知られざる苦労についても話を聞いた。(全2回の2回目/前編へ)
――ドラフト指名前のタイトル戦(桜蕾戦)やオーディションで結果を出したことに加えて、いざMリーガーになったあとも、重要な局面で伊達プロはたびたび勝負強さを発揮しています。ご自身では、そのあたりをどう分析されていますか?
伊達 自分じゃあまりわからないんですけど、Mリーガーになる前、麻雀プロになって4、5カ月くらいのころに、WRCという自団体(日本プロ麻雀連盟)のタイトル戦で決勝に残ったことがあったんです。そのときに対戦相手のみなさんがバシバシ強い牌を押してきて、「怖い」と感じてしまったんですね。雀力も足りていませんでしたが、それ以前に気持ちで全然戦えないまま4位で終わってしまった。それをいまでもすごく後悔しているんです。でも、その経験があったからこそ、桜蕾戦の決勝やMリーグでは「気持ちだけは絶対に折れないぞ」という姿勢で戦えているのかなと思います。
――Mリーグを拝見していると、特に押し引きの判断の部分で、攻めるにしても守るにしても思い切りのよさが印象に残ります。ちょっとやそっとではブレない芯の強さがあるというか……。
伊達 思い返すと、子供のころからやりたいことに対してはすごく行動的でしたし、かなり負けん気が強い面はありました。それが麻雀ではいい方向に働いているのかもしれませんね。
「ぶりっ子だ」みたいに書かれたりして…
――Mリーグは数十万人規模の視聴者がいるだけに、小さなミスに対して批判が寄せられることも少なくありません。“強メンタル”の伊達プロでもダメージを負うこともあるのでは。
伊達 正直、1年目はめちゃくちゃ言われるだろうなと覚悟していました。でも、始まる前にチームメイトの滝沢和典さんに「きっといろんなことを言われるだろうけど、自分が信じている人の言葉だけを聞いていれば大丈夫」とアドバイスをもらって、あまり気にならないようになりましたね。なんだかんだで心に蓄積したものはあるんですけど、まあ世界は広いし、仕方ないな、という感じで(笑)。
――麻雀の内容だけでなく、所作や発声に対して“物言い”がついたり、なかには誹謗中傷のようなものも……。