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《東大出身のプロ野球選手》宮台康平の引退で球界から消滅…唯一「勝利投手」と「ホームラン」を記録したのは?「5万観衆」の大穴弾秘話
posted2022/10/31 11:01
text by
渋谷真Makoto Shibutani
photograph by
Hideki Sugiyama
ヤクルトの宮台康平が今季限りでの現役引退を決めた。同僚が日本シリーズを戦っている10月28日に、自らの意思で競技人生に区切りをつけることを選んだ。
2018年にドラフト7位で日本ハムに入団。東大出身では6人目のプロ野球選手として話題になった。しかし日本ハムを自由契約となり、ヤクルトに移籍しても一軍の壁を打ち破ることはできなかった。登板3試合で勝ち負けなしの防御率9.00。計7イニングを投げ、7三振を奪う一方で8安打、7四死球、2暴投という数字から見る限り、制球力にも苦しんだようだ。
よく「プロ野球選手になるのは東大に入るより難しい」と言われる。これは単純にその狭い門をくぐり抜けた人数を比較しているわけだが、毎年3000人が入学する東大に対して、今年のドラフト会議では育成選手を含めても126人しか指名されなかった。言うまでもないが、一般の就職活動ではないのだから東大出身であることがドラフト指名に有利に作用することはない。入試のように点数や数字がすべてでもない。だからこそ2つの狭き門を通過したのは6人だけなのだろう。