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「朝倉未来と私のレベルはちょっと違う」RIZIN新王者クレベル・コイケが継承した“猪木イズム”とは〈Bellator王者と年末決戦〉
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2022/10/28 17:02
RIZINの新たな王者となったクレベル・コイケ(左)は、大晦日にBellatorフェザー級王者パトリシオ・ピットブルと対戦。格闘技ファン垂涎の頂上決戦だ
Bellatorとの対抗戦で“現役王者対決”へ
クレベルの発言を受けたわけではないだろうが、後日Twitterを通して朝倉は「大晦日は出ません 頭がまだ痛いのと、準備期間が短すぎるので大事をとって。来年に備えます」と発言。さらに「無理矢理やらせようとする団体もファンも悪い 俺は万全で自分のやりたい時にやらせてもらう」と主張した。まだ出場する猶予は残されているようだが、この時点で大晦日のクレベルと朝倉の再戦プランは消滅した。
しかしながらRIZINは、米国ではUFCに続くMMAプロモーションとして知られるBellatorとの全面対抗戦を今年12月31日に企画。水面下で温め続けたこのプロジェクトが、このたびいよいよ実現する運びとなった。クレベルがフェザー級王者になった直後のリング上で、榊原信行CEOは「Bellatorとの対抗戦に出てよ」と早くも口説いている。
それからわずか3日後の10月26日、RIZINは都内で緊急会見を実施。大晦日にBellatorとの5対5の全面対抗戦を行なうことを正式に発表した。クレベルはBellatorフェザー級王座に君臨するパトリシオ・ピットブルとの現役王者対決に臨むことになった。
パトリシオはBellator史上3人目となる2階級制覇を成し遂げた35歳。会見のために来日したパトリシオと向かい合ったクレベルは「緊張した」とはにかんだ。ふたりともブラジル人ながら、会見での発言は公用語のポルトガル語ではなかった。ともに異国での生活が長いせいだろう。クレベルは日本語で、パトリシオは英語でスピーチしていた。
パトリシオを下せば、クレベルの名はさらに世界に轟くことになる。新チャンピオンになったばかりのクレベルだが、その余韻に浸る暇はなさそうだ。
空から猪木氏も微笑んでいる。
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