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「決してガードを下げてはいけない」ラグビー日本代表はオールブラックスに付け込む隙はある? ジェイミー・ジョセフが語る“4年ぶりの決戦”
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byNanae Suzuki
posted2022/10/28 06:01
母国であるニュージーランドとの決戦を前に、意気込みを語ったラグビー日本代表HCジェイミー・ジョセフ
日本代表のスコッドは、10月に入ってオーストラリアAには連敗したものの、課題をひとつひとつクリアしている最中だ。一方のオールブラックスも難題を抱えている。今年に入って5勝4敗という結果に、王国では動揺が広がった。ジェイミーはいう。
「アイルランドとのサマーテストでは負け越して、アルゼンチンにも負けました。たしかにオールブラックスは不安定な状態にあります。現状、他国とは違うレベルのプレッシャーを感じているはずです。黒のジャージの持つ意味、国民の期待、ラグビー以外の要素にも対応しなければならない。それを排除するためには、勝つしかない」
そこに日本が付け込む隙はあるのか。
「日本を相手にする時、オールブラックスは保守的になるでしょう。彼らは日本との試合のあと、ウェールズ、スコットランド、イングランドと対戦します。どうしても欧州での試合にピークを持っていくはずですから、日本との試合は難しい位置づけになる。我々にとっては、それがアドバンテージになり得ます。そのチャンスを生かさない手はありません」
ルーツに根差した強さを求める指揮官が母国の代表を忘れることはない。
「今日もオールブラックスの試合を見るために、ミーティングの時間を早めてしまいました(笑)」
そうおどけるが、オールブラックス戦を見ることは、勝つヒントを探すための時間でもあったはずだ。10月29日、国立競技場でジェイミーはどんな戦術を繰り出すのか、それは来年のW杯フランス大会へとつながっている。
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