SCORE CARDBACK NUMBER
ダイバーシティはここにも。ユニークな国体で見た光景。
posted2022/10/27 07:00
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Nobuhiko Otomo
雨の打ちつける人工芝の上で、逞しきラグビー女子たちは楽しそうにボールを追い、走り回った。
10月6日、栃木県の佐野市運動公園第1多目的球技場。行われていたのは「いちご一会とちぎ国体」こと第77回国民体育大会のラグビー女子セブンズ。三重対神奈川の激突となった決勝は、三重が26-5で快勝。表彰式の間、三谷咲月主将は満面の笑みを振りまき続けた。
「本当に嬉しくて、幸せな時間でした。去年の大会が中止になった悔しさをようやく晴らせました」
味わい深いコメントだ。三重チームの選手は全員、2016年に設立されたクラブチーム「パールズ」のメンバーだった。パールズはそもそも、昨年開催されるはずだった三重国体の優勝を目指し、三重の官民が一体となって発足させたチーム。目標にしていた昨年の三重国体がコロナで中止されたため、2年越しの悲願成就。それも、NZで開かれているW杯に大量8人(サクラXVの最大勢力!)を送り出しながらの優勝だ。