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ムシアラ、フォデン、チュメアニ…戸田和幸が才能爆発に期待する、カタールW杯のスーパースター候補たち《大穴はカナダ代表》
text by
戸田和幸Kazuyuki Toda
photograph byGetty Images
posted2022/11/02 11:01
戸田さんがデブライネを引き合いに出すほど期待する若手、フォデン(左)とムシアラ。ともに攻撃的ポジションの選手だ
そしてスペシャリティー。ムシアラは狭いスペースでも技術の正確性と判断能力の高さをプレーで示すことができ、フォデンはトップスピードに入ってもしっかりとした技術を発揮し、判断も的確です。代表チームでも、本来の輝きを発揮できれば今よりもさらに注目を浴びるようになるでしょう。
何でもできたほうが望ましいというのは後ろのポジションの選手にしてもそうです。センターバックのニコ・シュロッターベック(ドイツ代表/ドルトムント/22歳)はサイズがあっても動けるし、キックの精度もある。ドリブルもいい。すべて揃っていて、とてもキラキラして見える選手です。
センターのMFで個人的に面白いなと思っているのは、まずオーレリアン・チュアメニ(フランス代表/レアル・マドリー/22歳)です。長年中盤を支えたカゼミーロが離れたレアル・マドリーはどうなることかと思いきや、今夏モナコから移籍してきた彼がその不安を払拭しています。守備はもちろんのこと攻撃面での展開力も素晴らしい。フランス代表はエンゴロ・カンテ、ポール・ポグバともにケガを抱えていますが、チュアメニという新たな力によってチーム自体がポジティブな意味で変わっていく可能性はあると言えます。
デクラン・ライス(イングランド代表/ウェストハム/23歳)は非常にタフで耐久力があり、走力もあります。戦術理解度も高い。ただプレーメーカーではないため、良いパートナーがいれば、もっと彼の能力が生きるんじゃないかと感じます。
もう一人はモイセス・カイセド(エクアドル代表/ブライトン/21歳)。9月にドイツで行なわれた日本代表との親善試合でも相手との距離を詰めるスピードが速く、クリーンに奪ってすぐ前に出ていける。この点においては日本の選手とはだいぶ違うなという印象を持ちました。チュアメニこそレアル移籍でサッカーファンに知られるようになりましたが、ライス、カイセドを含めたセンターMFのこの3人は世界的にもっと認知されていくのではないでしょうか。
カナダ代表に注目せよ
ほかに挙げるとすればカナダ代表の2人ですね。アルフォンソ・デイビス(バイエルン・ミュンヘン/22歳)とジョナサン・デイビッド(リール/22歳)。アルフォンソ・デイビスはバイエルンで左サイドバックを任されていますが、カナダ代表では前めのポジションでプレーしていて戦術理解度、プレーのクオリティーがいずれも高い。ジョナサン・デイビッドはまだそこまで世界的に知られていませんが、彼もまた何でもできるタイプのストライカーで、現在のサッカーに適合したタイプと言えるでしょう。