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2度のクーデターに相次ぐ襲撃、政情不安のブルキナファソになぜ? 中日・小笠原慎之介が野球不毛の地に道具を送った理由「僕は子供の頃から…」
posted2022/10/22 06:00
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
Ichisei Hiramatsu
中日の小笠原慎之介が、実に1200点もの野球用具に囲まれて、記念撮影に応じたのは10月14日のことだった。スパイク、バット、グラブに捕手用のプロテクターやレガーズ、ボールやベース類もある。多くは未使用品だが、一部使用済みの物も含まれていた。その日は贈呈式だった。受け取った相手はブルキナファソ大使館のグレゴワール・カブレ一等参事官だ。
野球の競技人口は600人弱
1200点は小笠原が7月に始めた「THE PROJECT“11” 世界に野球を届けよう」に応じて集まった用具。小笠原によると「一部をチャリティーオークションにかけ、スポーツメーカーにご協力いただき、その売上を新品に換えました」という。ここで誰しもが思うのは「ブルキナファソってどこ?」だろう。
アフリカ西部にある内陸国で、マリ、ガーナ、コートジボワールなどと国境を接している。世界最貧国のひとつで、そもそも野球は普及していない。国内の競技人口は600人弱と言われている。こう書けば、次に抱く疑問は「なぜブルキナファソ?」であろう。