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ドラフト「本当の不作年」ワースト20…“実質最下位”は「71名中32名がプロ入り拒否」の年、KKがいた1985年も“意外な順位”に 

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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photograph byTatsuo Harada

posted2022/10/20 11:11

ドラフト「本当の不作年」ワースト20…“実質最下位”は「71名中32名がプロ入り拒否」の年、KKがいた1985年も“意外な順位”に<Number Web> photograph by Tatsuo Harada

1997年、4球団競合で川口知哉を引き当てたオリックス・仰木彬監督。同年ドラフトの代は何位に?

 そう考えると、投手分業制が定着し、肩は消耗品という観念も一般的になった2007年や2008年はどうして不作ワースト10に入ってしまったのか。

中田翔の07年、大田泰示の08年は苦戦…

 もともと、『高校BIG3』の中田翔、佐藤由規、唐川侑己、『大学BIG3』の大場翔太、長谷部康平、加藤幹典のいた2007年は“豊作”と言われ、彼らは全員1巡目で入団した。しかし、6人のうちA評価は288本塁打の中田(日本ハム)、B評価は333登板、78勝の唐川(ロッテ)だけ。他球団の1巡目を見ても、300登板の岩嵜翔(ソフトバンク)と263登板の田中健二朗(横浜)がB評価を得たのみ。大学・社会人と高校生の分離ドラフトだったため、いわゆる1位指名は24名いるが、そのうち期待通りの活躍は4名。確率に直せば16.7%だった。

 2008年は前年以上に1位指名が大成できず、B評価以上は907試合の大野奨太(日本ハム)のみ。大田泰示(巨人)は来シーズン終了後にはB評価に入ってきそうだが、現役選手はこの2人だけ。1位指名の投手7人の中で、最高成績は赤川克紀(ヤクルト)の14勝であり、2人は1勝、3人は0勝で球界を去っている。“ドラ1”が活躍できなければ、“不作”の確率は高くなる。

 2014年は8年間の成績という不利な立場のため最下位になってしまったが、DeNA1位の山崎康晃はセーブ数歴代8位でS評価。現時点でB評価の日本ハム・有原航平、ロッテ・中村奨吾、巨人・岡本和真、西武・高橋光成も全て1位である。数年すれば順位を上げると思われる一方、下位指名や育成選手が大化けしていない。それもあって1、2年しか違わない2013年(37位)や2012年(29位)に大きく引き離されている。現状、ヤクルトは全選手がNPB不在。中日もロッテに移籍した加藤匠馬を除いてNPBを去っている。

【次ページ】 「71名中32名がプロ入り拒否」…“実質ワースト”の73年

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