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“三冠王打法”ヤクルト・村上宗隆から松井秀喜への質問とその答え「すでに僕を超えている」「まだまだ遠い存在です」の真意とは?

posted2022/10/14 11:30

 
“三冠王打法”ヤクルト・村上宗隆から松井秀喜への質問とその答え「すでに僕を超えている」「まだまだ遠い存在です」の真意とは?<Number Web> photograph by KYODO

CSファイナル第2戦で値千金の逆転2ランを放ったヤクルト村上宗隆

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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   セ・リーグ、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ。ヤクルト先勝で迎えた第2戦は、ヤクルトの主砲・村上宗隆内野手のバットが試合の流れを決めた。

 1点を追う3回2死1塁から放った逆転2ラン。高く舞い上がった。その打球を横歩きで見上げた村上は、スタンドに弾むのを見て一塁ベンチ方向にバットを投げて吠えた。2年越し。CS通算5試合目で放った初アーチは、チームが2年連続の日本シリーズ進出へと王手をかける一打でもあった。

「その前の守備も凄く短く終わっていい流れだったので、ここで打つしかないと。追い込まれていたので、何とか前に飛ばす、厳しいコースはカットするくらいの気持ちでした。しっかりと押し込めた。ホームランは凄く気持ちいいので嬉しいです」

村上宗隆の真骨頂を見せた”三冠打法”

 間断なく降り続いた雨のお立ち台。“村神様”は人懐っこい笑顔を見せてこう語ると、スタンドを見上げた。

 まさに村上の真骨頂を見せた一打だった。

 打ったのはフルカウントから阪神先発の藤浪晋太郎投手が投じた外角へのストレートだった。低めぎりぎりのボールをしっかり引きつけた上で、凄まじいヘッドスピードでとらえて、最後に左手で押し込んだ。

 広角に打てる村上らしさを詰め込んだ、まさに三冠打法で放った一撃だった。

 前日の第1戦。BSフジの中継にスペシャルゲストとして元ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜さんが出演。ニューヨークから到着した羽田空港から直行で神宮球場に駆けつけた。

「初めて見たので印象だけ。詳しいことは分からないよ」

 こう語った松井さんだが、もちろん初のナマ村上の打席に“雰囲気”は感じていた。

「いままでになかったスケールの選手ですよね。側から見るのと実際の数字が結びつかないものがありますけど、あれだけ打てるというのは、彼の中で特別なものがあると思います」

 村上の第一印象を語った松井さんに、村上本人からのビデオメッセージではこんな質問が紹介された。

【次ページ】 村上からの質問と松井の答え

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