箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
箱根制覇へ視界良好「圧勝でした」駒澤大が出雲駅伝を全区間2位以内で優勝、エース田澤は「これまでは自分に頼る試合が多かった。でも…」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2022/10/13 17:25
レース後にチームメイトと談笑する田澤廉。1年からエースとして話題を集めた田澤ももう4年生。最後の箱根での優勝と3冠制覇を目指す
「これまでは自分に頼る試合が多かった。でも、今回は自分に頼る駅伝ではなく、個人が能力を高めて、それを個々がしっかりと発揮した。チームとして、全員で勝つスタイルになりましたし、総合力で勝てるチームになったと思います」
もちろん今も田澤が駒澤大のエースであることに変わりはない。だが、来年、田澤の卒業を見据えると、個々がどのくらい力をつけていけるか、どのくらい強くなれるかが常勝軍団を作る上で重要になってくる。田澤ひとりに頼るのではなく、自分たちの力を発揮して勝ち切ることをやってのけた選手たちの自信は計り知れないものがあり、それがこれから全日本、箱根に向かう際、大きなアドバンテージになるだろう。
残り2つ獲って、4年間の恩返しをしっかりしたい
今年の駒澤大の目標は「3冠」である。
3大駅伝の中では長く獲れていなかった出雲を9年ぶりに制した。つづく全日本は過去14回優勝しており、今年は3連覇がかかる。箱根は「獲るのが一番難しい」と大八木監督は語るが、「田澤がいる間に3冠を取る」と宣言している。
その思いを知る田澤はこう語る。
「この4年間、指導してくださった恩返しは駅伝で優勝することだと思っています。まずひとつ獲ったので、残り2つ獲って、4年間の恩返しをしっかりしたいと思っています」
田澤の思いは4年生の総意だろうし、3年生以下も大エースを擁する今回は優勝する最大のチャンスと考えているはずだ。懸念されるのは、主力の怪我だけ。もちろん青学大や国学大、中央大などライバル校も強いが、箱根に向かう船から主力がこぼれ落ちなければ、駒澤大はその日、歓喜の瞬間を迎えられるはずだ。
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