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「好きな選手はメッシ! サッカーなら170cmでも世界トップで活躍できる」バスケ日本代表・富樫勇樹が考え続ける“身長”という才能
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渋谷編集室 with ABEMASports Graphic Number with ABEMA
photograph byYuki Suenaga
posted2022/10/19 11:00
身長167cmながら、日本代表の司令塔として活躍を続ける富樫選手。同じくらいの身長で観客を魅了するメッシの大ファンだという
――ワールドカップはメンタルの強さも問われます。富樫選手は2021年にBリーグを制し、東京五輪にも出場しました。ビッグマッチで結果を出すためには、どんな精神状態で臨むべきでしょうか。
富樫 僕の場合は、試合前に「戦いに行くぞ!」って気合いを入れすぎるよりも、いつもどおり、むしろふわっと入った方が、良い感覚でプレーできるんです。もちろん試合の中で闘争心を出して、相手にガッと向かっていく場面はあります。そういう戦う気持ちは備えた上で、気楽に、フラットに試合に入るのが良いタイプです。
――緊張はしませんか?
富樫 最近では、あまりしなくなってきましたね。これまで一番緊張したのは、2014年にNBAのサマーリーグに初めて出させてもらったとき。あのときはガチガチになりましたけど、それ以降は緊張した記憶がないですね。
――サッカーの遠藤保仁選手みたいですね。
富樫 本当ですか!? これまで髪型が似ていたから、「バスケ界の槙野智章」と言われたことはありますけど、「バスケ界のヤット」は嬉しいなぁ。僕も遠藤選手みたいに、ハーフタイムにシャワーを浴びるようにしようかな(笑)。
カタール大会も生で見る!
――現在の日本代表は、ヨーロッパでプレーする選手が増えて、精神的にもタフになっていると思います。
富樫 海外のチームから戦力として考えられて、オファーが届くのはすごいことですよね。バスケの場合はスペインのリーグもレベルが高いですけど、やっぱり金銭面でも、環境面でも、プレーレベルもNBAが圧倒的。サッカーはヨーロッパ各国のリーグ戦に毎週末、当たり前のように7~8万人のお客さんが入っている。いろんな国にNBAがあるようなものです。そんな環境でたくさんの日本人選手がプレーしていること自体、日本サッカーのレベルが上がっている証拠だと思います。
カタール・ワールドカップでは、ぜひその力を結集して、日本を盛り上げてほしい。決勝トーナメントに進むと、日本時間では深夜のキックオフが続くようですけど、6時間の時差なら大丈夫。僕も生中継を見ながら応援しています!
(構成=松本宣昭)
富樫勇樹(バスケットボール)(とがし・ゆうき)
1993年7月30日、新潟県生まれ。中学卒業後、アメリカへバスケットボール留学し、高校卒業後、秋田ノーザンハピネッツに入団。その後2014−2015年のテキサス・レジェンズを経て、2015−2016年から千葉ジェッツでプレー。2019年には日本人初の1億円プレーヤーとなり話題になった。日本代表には2011年に初選出され、長らく中心選手として活躍。東京五輪でも司令塔として存在感を示した。