スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
村上宗隆56号+最年少22歳三冠王「さらに大きな選手に」、落合博満「練習したヤツには絶対…」最強打者の“超メンタル術”
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph bySports Graphic Number
posted2022/10/04 11:02
バース、村上宗隆、落合博満……。三冠王に輝いた強打者たちの打撃論はやはり、確固たるものがある
5月までは打率が上がらなかったものの、交流戦で松井裕樹、千賀滉大らパの好投手からホームランを放つなど、チームの交流戦優勝に貢献。夏場に入るとそのホームランペースは落ちるどころか史上初の5打席連続本塁打を放ち、6月と8月には月間打率4割台をマークした。
終盤戦こそ打率が下がったが、最終的には大島洋平の猛追を振り切り、松中以来18年ぶり、セ・リーグではバース以来36年ぶり、そして史上最年少22歳での三冠王獲得となった。さらに10月3日のDeNA戦第4打席、初球のストレートを強振すると、満員のライトスタンドに突き刺さるソロ本塁打。王の55本塁打を超える56本塁打の大記録をシーズン最後の打席で樹立した。
開幕前のキャンプで村上は「こうして一軍の試合に3年間休むことなく出続け、結果を残せているのは、この4年間でいい土台が築けたということでしょう。もちろん、いろいろと大変なこともありましたけど、なんとか粘ることが出来ました」と語った後に「さらに大きな選手」になることを誓ったが、この時点で三冠王に輝くことを予想した人はどれだけいただろうか。
村上の打棒について、セパ両リーグで本塁打王を獲得し、通算403本塁打を放った山崎武司氏は「理解できない」、広島で抜群のインサイドワークを誇った達川光男氏も「落合さんは三冠王を3度もとられたりしていたけれど、そういう選手になり得る可能性があるのは今、村上だけだろうね」と語ったが――大事なところでことごとく快打を連発した村上にとって、2022年は大打者への道を大きく踏み出す一歩となった。
高校時に語った「清宮くんばっかり意識は…」
村上の野球への真摯さを示すエピソードがある。
九州学院高校の1年生で4番打者を務め、熊本県大会での“夏デビュー戦初打席”で満塁ホームランをかっ飛ばすなど、知る人ぞ知る注目株だった。
当時は同学年である清宮幸太郎と比較され、「九州の清宮」という報道が目立っていた。しかし、「清宮君ばっかり意識していられないですよ」「(当時の)2年生にはほかにもすごいバッターがたくさんいるんですから」と、全国級スラッガーの名前をすらすらと挙げていた。
その研究熱心さが村上をプロの世界で飛躍させた。そして今後も打撃術に磨きをかけていくはずだ。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。