スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
村上宗隆56号+最年少22歳三冠王「さらに大きな選手に」、落合博満「練習したヤツには絶対…」最強打者の“超メンタル術”
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph bySports Graphic Number
posted2022/10/04 11:02
バース、村上宗隆、落合博満……。三冠王に輝いた強打者たちの打撃論はやはり、確固たるものがある
松中、ブーマーが語った三冠王に向けての成長
<名言3>
言ったことに責任を持てる男でいたかったから、三冠王という結果が出せてよかった。
(松中信彦/Number613号 2004年10月14日発売)
◇解説◇
〈2004年:打率.358 44本塁打120打点〉
ホークスの4番打者・松中は2004年に三冠王を獲得する大活躍をみせたが、シーズンの滑り出しは順調とは言えなかった。年俸交渉でもつれて、代理人を立てて交渉し、キャンプには自費参加を余儀なくされた。
「九州で生まれた男ですから、理に反することは嫌いやし、一度決めたら筋を通す反骨心は人一倍持っていると思う」と自己分析し、「不器用っていうか、一度こうと決めたら周りがいろいろアドバイスをしてくれても耳に入らない」とも話していた。
しかし、その圧倒的な打撃は04年シーズン通じて猛威を振るい、「平成唯一の三冠王」となった。
<名言4>
アメリカのバッターは日本の経験で生まれ変わるんだ。
(ブーマー・ウェルズ/Number1023号 2021年3月18日発売)
◇解説◇
〈1984年:打率.355 37本塁打130打点〉
ブーマーはメジャーで0本塁打と確たる成績を残したわけではなかった。しかし83年に阪急ブレーブスに入団すると。初年度から打率.304、17本塁打、62打点の好成績を残す。そして翌年、さらに日本野球に順応し、持ち前のコンタクト能力と長打力を両立させ、外国人史上初となる三冠王を獲得した。
そんなブーマーだが、それぞれ阪神と中日に在籍し、メジャーに戻った後に活躍したフィルダーとステアーズの名前を引き合いに出し、NPBでの経験が外国籍選手のバッティングを変えるケースがあると話したことがある。
「日本は打者にとって打撃を勉強するのに格好の場なんだ」
ブーマーがパ・リーグでの10年間で残した通算成績は打率.317、277本塁打、901打点。三冠王とともに長年にわたってコンスタントな成績を残したスラッガーとして、日本プロ野球屈指の“助っ人”といえる。
唯一の三冠王3回、落合の「練習論」
<名言5>
とにかくこの世界、バットを振りぬくことだ。練習をしたやつには絶対に勝てないんだ。
(落合博満/Number751号 2010年4月1日発売)
◇解説◇
〈1982年:打率.325 32本塁打99打点〉
〈1985年:打率.367 52本塁打146打点〉
〈1986年:打率.360 50本塁打116打点〉
数多の大打者でさえ、三冠王は一度でも取れれば偉大な記録として名を残す。それをNPB史上唯一となる3度の獲得を成し遂げたのは、落合博満だ。