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甲子園の風BACK NUMBER
松坂大輔「お前には絶対打たせない」怪物が敵視した“PLの4番”はその後、どうなった? 亜細亜大学に進学も「ノイローゼで考え方もおかしく…」
text by
内田勝治Katsuharu Uchida
photograph byKazuhiko Furuhata
posted2022/10/04 11:04
甲子園で出会った松坂とPL4番・古畑和彦の貴重なツーショット。その後も2人の交流は続き…
休部となった野球部、PL戦士の思い
古畑は、あの試合の映像を息子たちに見せながら、説明したことがある。「今の大阪桐蔭は強いやろ?でも、お父さんたちの時は、これがPLやったんやぞ」と。
「PLの存在は野球界においても非常に大きな存在。そこにいたという誇りはあります。野球人生の中で最も自分を際立たせた時ですね」
ただ、そのPL野球部は、もうない。もし仮に、息子がかつてのライバルだった横浜高校への進学を希望した場合、古畑は何を思うのだろうか。
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「『大阪桐蔭を倒したい』って言って、中心選手になってくれたら、それは嬉しいですね。進学については全く決まっておらず、最終的には本人が決めることだし、ご縁もあることなので、息子としっかり話をして決めたいと思います」
2022年9月。憧れだった中日の福留孝介が現役引退を発表した。残るPL戦士は前田健太(ツインズ)、中川圭太(オリックス)の2人のみ、松坂世代も和田毅(ソフトバンク)の1人だけとなった。そう遠くない未来、球界で隆盛を誇った2つの「ブランド」を肩書きに持つ現役選手は、確実にいなくなる。
あの偉大なピッチャーがいたから、あんな試合ができた
「夏が始まったらPLがいない。めっちゃ寂しいですね。松坂世代もそう。でも、やっぱり僕らは松坂に感謝です! 試合に負けて悔しいのはもちろんあったんですけど、あの偉大なピッチャーがいたから、あんな試合ができたし、みんなここまで頑張ってこれたんだなと思います」
どれだけ時代が移り変わろうとも、あの3時間37分の記憶は決して色あせることはない。
多くの人の心をつかみ、語り継がれていくだろう。これまでも、そしてこれからも。