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甲子園の風BACK NUMBER
松坂大輔「お前には絶対打たせない」怪物が敵視した“PLの4番”はその後、どうなった? 亜細亜大学に進学も「ノイローゼで考え方もおかしく…」
text by
内田勝治Katsuharu Uchida
photograph byKazuhiko Furuhata
posted2022/10/04 11:04
甲子園で出会った松坂とPL4番・古畑和彦の貴重なツーショット。その後も2人の交流は続き…
この世代が終わるんだな
「本人に直接聞くのが嫌だったので、上重に確認したら『本当だ』と。ああ、本当に引退するんやなぁ、って。自分がダメな時に何度も励まされた思いが強くて。この世代が終わるんだな、って悲しい思いがしました」
感謝の思いをLINEで伝えた。
「自分はプロの舞台に立てなかったけど23歳から働くようになって、マツの投げる姿に何度も感動し、この41歳まで頑張ることができてます。寂しいけど、本当にありがとう。本当にお疲れ様でした!」
松坂から返信がきた。
「俺は俺なりにみんなに負けないようにと思ってやってきたけど、やっと終われる時が来たって感じかな…。あの高校時代の戦いがあったから今の俺があるしね!関わってきたみんなに感謝しています!ありがとう!」
「あの高校時代の戦い」は、古畑だけではなく、松坂にとっても特別な試合として位置づけられていた。
あの試合が松坂の頭の中に入ってくれている
「松坂がこれまで何百、何千と試合をした中で、あの試合が頭の中に入ってくれている。本当にうれしかったですね」
新たな夢もできた。休日はもっぱら、長男と次男の野球の応援に奔走している。長男の雄大君は小6時に東京ヤクルトスワローズジュニアに選ばれ、中2の現在は名門の東練馬リトルシニアに所属。身長176センチ、体重82キロの恵まれた体格から、新チームでは「4番遊撃」を任され、父譲りの豪快な打球を放つ。次男の太誠君は、雄大君も所属した学童野球の深川ジャイアンツで4年生チームの主将。1番投手・遊撃で兄に負けない活躍を見せている。
「妻の真美が食事をしっかり食べさせてくれているおかげで、体は2人ともしっかりしているので妻に感謝ですね。僕は細かったので(笑)。息子達には高校からそのままプロにいけるような選手になってもらいたいです。だからこそ、進学する高校が大事になってくる。雄大はまだ進学について『う~ん』って感じなので、こちらからある程度導いてやらないといけないと思っています」
進路に関して、当然、選択肢の一つに入ったであろう、母校のPL学園野球部は、2016年の夏を最後に休部。地元の大阪は大阪桐蔭、そして履正社の2強時代が続いている。