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「バッグの穴からレンズが…」現役大学生チアたちが明かす“性的画像”被害の瞬間「実際に画像が販売されているサイトを見て…」
text by
品川絵里(共同通信)Eri Shinagawa
photograph byGetty Images
posted2022/09/19 17:02
現役の大学生チアリーダーなどに盗撮被害の取材を重ね、見えてきたのは…
「すごく集中力が必要なスポーツなのに、その集中力が欠けてしまっていた。1年間つくってきたものを見せる場なのに、そういう人がいると、スカートを気にして演技をしなくちゃいけなかった」と悔やむ。
この団体は、学園祭のステージで、観客席の1~3列が盗撮目的で訪れた男性に陣取られ、親や友人が見られないという事態が何年も続いたという。そこで前方を関係者専用席にして、前からのアングルで撮影できないように工夫した。「撮りにくくなったとは思う」と振り返ったが、現場の対策に限界があるのが現状だ。
一体誰のために踊っているのか、分からなくなった
30年前に地方国立大を卒業した女性は、自分の踊っている姿が無断で雑誌に掲載されていた過去を思い出す。「写真には犯罪者のようにシェードが入れられていたが、ユニホームを見たら誰かすぐ分かる。一生懸命にしている人からしたら、耐えられない。自分の時も、だれか提言してくれていたらと思う」
やっと動きだした問題だ。チアリーディングをやっていた女性は切実に訴える。
「自分が好きな格好をして、好きな踊りをしたいだけ。自分の「パフォーマー」としての一面を見ていただいて、評価されることは、とても楽しかった。しかし、自分の性的な面ばかり切り取られる現状を前に、一体誰のために踊っているのか、分からなくなった」
「チアリーダーの服装は、パフォーマンスにおける自己表現であり、コスプレや性的な連想をさせるための服装ではない」
「ネットの掲示板では好奇や性的な目線で、あることないこと性的な表現を浴びせられた。「そんな格好をしているから撮られても仕方がない」という無言の圧力が、この世間にないと言い切れるか」(21年7月2日公開)