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「彼女はギフトだ」NBAペイサーズで日本人トレーナーが“愛される”理由…激闘ファイナルの舞台裏も明かす「こんなに楽しいシーズンはなかなかない」

posted2025/07/03 11:02

 
「彼女はギフトだ」NBAペイサーズで日本人トレーナーが“愛される”理由…激闘ファイナルの舞台裏も明かす「こんなに楽しいシーズンはなかなかない」<Number Web> photograph by NBATA, Maddie Meyer/Getty Images

NBAインディアナ・ペイサーズでトレーナーを務める佐藤絢美さん(左)。激闘となったファイナルを振り返った

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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NBATA, Maddie Meyer/Getty Images

 第7戦までもつれる激戦となった今年のNBAファイナル。

 最後の試合終了ブザーが鳴り、優勝したオクラホマシティ・サンダーの選手たちがロッカールームで優勝トロフィーを囲み、シャンパンの瓶を片手に笑顔で祝っていた頃、廊下の先にある敗れたインディアナ・ペイサーズのロッカールームでは、選手たちが口数少なく荷物をまとめ、メディアの取材に答えていた。

 そこにペイサーズのアシスタント・アスレティックトレーナー(兼理学療法士・兼スポーツアドミニストレーター)の佐藤絢美が入って来ると、控えフォワード選手のジェームズ・ジョンソンが声をかけ、お互いにシーズン終了をねぎらうハグを交わした。

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 ジョンソンはペイサーズ選手の中で最年長の38歳。NBAファイナル中の出場時間は合計わずか18分と限られていたが、ベンチやロッカールームなどで若いチームメイトたちを支え、みんなから頼りにされ、リスペクトを得ている選手だ。

 そのジョンソンは、佐藤のことを『ギフト』(贈り物)と呼んでいるのだという。

“ギフト”と呼ばれる日本人

「彼女は何時でも、僕らのために時間を取ってくれる。家まで来て、僕らが大丈夫かどうかを確認してくれたり、僕らが高いレベルでのパフォーマンスができるように助けてくれる。まるでほかにやることが何もないかのように、いつでも進んで助けようとしてくれる。身体のことだけでなく、心の面でも支えになってくれていて、チームにとってとても大きな存在だ。だから、僕は彼女のことを『ギフト』と呼んでいるんだ」

 佐藤がメディカルスタッフとしてペイサーズの組織に加わったのは6年前。最初の4年は傘下のGリーグチーム、マッドアンツのヘッド・アスレティックトレーナーとして働き、2年前からペイサーズのスタッフとして、選手たちの健康をサポートしている。ジョンソンから与えられたあだ名は、佐藤がこの2年間で選手たちからどれだけ受け入れられ、必要とされているかを表していた。

【次ページ】 歴史の残る激闘…ファイナル直後の様子

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