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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「イチローはそれを上回る努力」「夜中1、2時にカーンと」64歳名伯楽が語る“10代の鈴木一朗”と独立Lドラフト候補に感じる差とは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo/Koji Asakura
posted2022/09/05 11:01
独立リーグ愛媛で監督を務める弓岡敬二郎氏はオリックス時代のイチローをどのように見ていたのだろうか
「今の独立リーグには足の速い選手も、150km/h投げられる選手も普通にいます。そんな中で、上に行こうと思ったら、人に言われるのではなく、自分で練習をしなければ。それができる、自分で進化できる選手でないと、ドラフトにかからない。かかっても上には行けない。今季の愛媛は戦力的にはやや厳しいんですが、良い素材を持つ選手は何人かいる。僕としては、NPBの舞台に送り出してやりたいとは思っています」
イチローの努力を真横で見続けたコーチのまなざし
筆者は2014年にも弓岡に話を聞いている。
愛媛の監督になったばかりの弓岡は、NPBとの環境のギャップや選手の意識の違いに、ショックを受けていたような印象だった。イチローをはじめとする超一流の選手を見てきた指導者にとって、独立リーグの現実は厳しいものだと映ったのだろう。NPBから来た指導者の多くは同じような反応をする。
しかし、弓岡はそこからが違った。愛媛は四国アイランドリーグplusでも強豪とは言えなかったが、わずか1年でチームをまとめ上げ、優勝へと導いたのだ。
64歳、柔和な表情ながら、選手を見るまなざしは厳しい。愛媛の選手たちには、そのまなざしが「イチローの努力を真横で見続けたコーチのまなざしだ」ということに気が付いてほしい。
名伯楽は四国の地で、どんな選手を育てるだろうか? <#1からつづく>
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