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「藤井五冠のフルーツ盛り合わせがカラフル」「に、二歩だ」「羽生先生と佐藤会長が上座を…」観る将マンガ家が描く真夏の名シーン
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byBUNGEISHUNJU/Junsei Chida(illustration)
posted2022/09/01 17:01
8月の将棋ハイライト。各月のハイライトは関連記事などからご覧になれます!
なお今年も「師弟トーナメント」の第2回開催が決定しました。前回大会で感動的な戦いを見せた「畠山鎮八段-斎藤慎太郎八段」組はもちろんのこと、ついに「杉本昌隆八段-藤井五冠」の師弟コンビの参戦も決定しました。好評だった「師匠が語る弟子」トークに杉本八段もご登場するのか――すでに今から楽しみですね。
3)トップ棋士のアツいシーン+里見女流五冠の挑戦
藤井五冠やABEMAトーナメント以外の公式戦でも、胸アツなシーンが数多かったです。まずは8月31日に開幕した王座戦五番戦第1局から。永瀬王座と豊島九段という“持久戦必至”な2人が激突する第1局は、110手で豊島九段が先勝! 幸先の良いスタートを切りました。
この日の対局、ぜひ触れたいのはABEMAでの佐々木勇気七段の名解説と将棋愛です。
5年前に「藤井聡太四段の連勝記録を止めた」棋士として一躍有名になりましたが、永瀬王座と研究仲間で関係が深いということで解説を担当。「(永瀬王座は)ABEMAトーナメントなどでは、怖いとか厳しいとか言われがちですが、わたしから言わせると――優しいとは違うんですけど、心遣いができるんです」など、数多くのエピソードを披露してくれました。
そして夕方までのABEMA解説担当を終えると、そこから同日に行われていた順位戦のYouTube中継で、佐藤天彦九段-広瀬八段戦の解説を担当。さらには終局後には感想戦を後ろで聞いているという……。凄まじいほどの将棋好きっぷりを目撃して、感動すら覚えました。
勇気七段は前述のABEMAトーナメントでもチーム斎藤の一員として大活躍中です。端整な顔立ちにしてミステリアスな一面もあった勇気七段が、「陣屋のカレーが楽しみです」などユーモアを交えて色々な形で発信してくれるようになったことは将棋ファンとしてものすごくうれしい限りです……!
対局では里見香奈女流五冠の棋士編入試験五番勝負が始まりました。8月18日の第1局の対局相手は徳田拳士四段でした。結果は徳田四段の勝利。2022年春のデビュー後12勝1敗の好成績を残している新鋭相手に里見女流五冠は黒星スタートとなりました。一方で27日の白玲戦七番勝負の開幕局で西山朋佳白玲に先勝。女流タイトルと“女性棋士への挑戦”でタイトな日々が続くかと思いますが、里見女流五冠の凛とした戦いぶりを応援し続けていく心づもりです。
不屈のハートを感じたのは王将戦2次予選1組準決勝、山崎隆之八段と佐藤天彦九段の対局です。