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「藤井五冠のフルーツ盛り合わせがカラフル」「に、二歩だ」「羽生先生と佐藤会長が上座を…」観る将マンガ家が描く真夏の名シーン 

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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photograph byBUNGEISHUNJU/Junsei Chida(illustration)

posted2022/09/01 17:01

「藤井五冠のフルーツ盛り合わせがカラフル」「に、二歩だ」「羽生先生と佐藤会長が上座を…」観る将マンガ家が描く真夏の名シーン<Number Web> photograph by BUNGEISHUNJU/Junsei Chida(illustration)

8月の将棋ハイライト。各月のハイライトは関連記事などからご覧になれます!

 話の脱線、失礼しました(笑)。第5局は9月5、6日に静岡県牧之原市の「平田寺(へいでんじ)」で開催されます。お寺での開催は旅館とはまた一味違う趣になる中で、藤井王位が防衛を決めるのか、それとも豊島九段が反撃態勢を構築するのか。そして“ミカンどころ”ということもあるので、フルーツ盛り合わせがどんな変化を見せるのか……。

 世間では藤井五冠の強さが“当たり前”のようになっているかもしれませんが、8月10日に行われた順位戦A級では菅井竜也八段が藤井五冠に、得意の中飛車からの展開で勝利。これぞA級トップ棋士のプライドと強さを見せる一局となりました。そして10月に開幕する竜王戦七番勝負は、広瀬章人八段が挑戦者に決定。サッカー好き視点では冨安健洋選手擁するアーセナルのガチファンということで、竜王に対してどのような“砲撃”を用意しているのか――楽しみです。

2)ABEMAトーナメントが盛り上がってます

 7月は「チーム藤井」がまさかの本戦出場ならずとなった「ABEMAトーナメント」ですが、各棋士が熱闘を見せています。準決勝進出をすでに決めたのはチーム斎藤、チーム稲葉、チーム永瀬です。

 特に若手有望株として注目される斎藤明日斗五段は、生放送での対局でフルセットとなり、日付超えとなる戦いの末に粘り勝ち。軍曹こと永瀬王座、増田康宏六段も大喜び。敗戦が続いていた責任から涙を流していた“パッション明日斗”にはスター性が漂うので、将棋ファン以外の方々もぜひ注目していただきたい棋士の1人です!

 そしてビックリしたのはチーム斎藤、木村九段の「二歩」(※同じ筋に歩兵を2つ置いてしまう反則)です。早指し戦では時おり起こるとは聞いたことがあるのですが、実際にお目にかかるとは。

 木村九段の悔しがり方だけでなく、対局者だった黒沢怜生六段の凍りつきっぷり、聞き手の千葉涼子女流四段も「あーーーーっ!!」と叫んだことにも衝撃が。木村九段は「大変申し訳ないです。プロにあるまじきこと」とおっしゃっていましたが、そこまでダメージを受けるものなのだな……と。

 準決勝残り1枠を争うのは、チーム渡辺vsチーム天彦。それぞれ名人経験者のリーダーがどれだけのバトルを見せるのか。棋力だけでなくファンサービス精神も抜群な2人だけに、楽しみで仕方ありません。

【次ページ】 3)トップ棋士のアツいシーン+里見女流五冠の挑戦

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藤井聡太
豊島将之
羽生善治
渡辺明
香川愛生
永瀬拓矢
佐々木勇気
佐藤天彦
広瀬章人
里見香奈
山崎隆之
佐藤康光
菅井竜也
斎藤明日斗
木村一基

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