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「藤井五冠のフルーツ盛り合わせがカラフル」「に、二歩だ」「羽生先生と佐藤会長が上座を…」観る将マンガ家が描く真夏の名シーン
posted2022/09/01 17:01
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
BUNGEISHUNJU/Junsei Chida(illustration)
猛暑に見舞われた8月でしたが……将棋界では熱い対局、その中でも“ほっこりシーン”を数多く見ることができました。“観る&描く将”視点で振り返っていきたいと思います!
1)藤井王位防衛へあと1勝+A級順位戦は伊達じゃない
藤井聡太竜王(叡王、王位、王将、棋聖と五冠)の“防衛の夏”の戦いが続いています。永瀬拓矢王座相手に勝利した棋聖戦と並行して戦う、豊島将之九段との王位戦も佳境を迎えています。
当初の予定だった第4局(8月15、16日)は豊島将之九段のコロナ陽性反応のため、延期に(療養されて大事に至らず何よりです)。それを受けて藤井王位が開催地の佐賀県嬉野市でトークライブに参加しました。対局こそなくても約350人のファンが集まったとのことで、さすがの人気だな……とも。
豊島九段の回復を受けて24、25日に徳島県徳島市の「渭水苑(いすいえん)」で行われた対局は、第1局から第3局と同じ「角換わり腰掛け銀」という戦型に。豊島九段の封じ手である「8六銀」は、立会人の木村一基九段も「驚いた」と語ったというほど強気な一手だったようですが……藤井王位が見事な対応によって勝利を手繰り寄せ、今シリーズを3勝1敗としました。うーむ、強い。
2人の対局と言えば、もうお馴染みの「おやつバトル」。藤井王位が1日目午前中のおやつに白あんベースの「稲すずめ」をセレクトしていました。今回はカワイイ系というよりしっとり落ち着いた大人なセレクトだな……と思っていたところ、2日目のフルーツ盛り合わせが凄いことに。カラフルなスーパーボールのような果物がズラリと並ぶ様子に、ABEMAで中継の聞き手を務めた香川愛生女流四段と解説の北浜健介八段も……。
「北浜先生、見てください!この多彩なフルーツ盛り合わせ!」
「これは新手ですか!」
こんな感じでビックリしていました。
なおとても私事なのですが……先月このハイライトで香川女流四段のツイッターについて取り上げたところ、ご本人に気づいていただき、僕のツイッターをフォローしてくださいました。恐縮するとともに、棋士・女流棋士の心の広さに驚くばかりです。