東野が振り返る「練習していなくても息が合いました」

　互いのプレーを称えた2人には、2人ならではの力がある。福島県の富岡第一中学校の在学中、1つ後輩の渡辺と先輩の東野が初めてペアを組んでからのキャリアは長い。渡辺が以前語っていたように、2人の年齢でコンビを組んで10年を超えるペアは世界でも少ない。

「最初から息が合っていました。最初はあまり話したことがなくて試合だけ、という感じでしたが、それでも成績が残せて」（渡辺）

「組んだ瞬間から、練習していなくても息が合いましたし、コンビネーションもよくて、話したことがぜんぜんなかったけれどミックスを組んだときはすごく楽しくて。あの瞬間は今でも忘れられないです」（東野）

　息が合う、合わないは、ときに技術の水準よりも力になる。むしろより大事なのではないか。2人はお互いに得た感覚を出発点とし、屈指の長いキャリアを重ねながら、混合ダブルスでは世界有数の強豪へと上りつめた。

パリ五輪での金メダルに向けて

　世界選手権閉幕の余韻を断ち切るように、8月30日にはダイハツ・ヨネックスジャパンオープンが開幕する。互いに順調に勝ち上がれば、世界選手権決勝で敗れた鄭／黄とは準決勝であたることになる。

「ここまでぼこぼこにされたので、これ以下はないと思う。思い切ってやりたいです」（渡辺）

　1戦1戦を大切に戦う2人は、2人ならではの武器とともに、2年後のパリ五輪金メダルへ向けて進んでいく。

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