――童謡『チューリップ』と新庄さんにはなんの関係もないけど、神奈月さんのイメージの中の新庄さんを構成するためには必要という（笑）。

神奈月　僕は他の人がやらないものまねも多くやりますけど、一般的に知られてない人のイメージって、80%くらいこっちの想像で作れちゃうんですよ（笑）。だから野球選手なんかの場合、バッティングフォームとかはリアルにやって、デフォルメするところはして、あとは想像ですね（笑）。

――そのリアルと想像の塩梅が絶妙なんでしょうね。

神奈月　あとはそれを楽しんでもらえるかどうかは、観た人に委ねるしかないというか。「自分にはこの人がこう見えるんだけど、どうですかね？」っていう。それで「神奈月さんがやってるものまねは全然似てないじゃん」って言う人もいれば、「いやー、神奈月さんがやってるものまねは俺たちの魂にまで響くんですよ」って言う人もいるし（笑）。

「似てる、似てないだけじゃ判断させない」

――刺さる人にはめちゃくちゃ刺さるということですね（笑）。ものまねをやる上で、「ここだけは譲れない」というものはありますか？

神奈月　「似てる、似てない」だけじゃ、判断させないってことですね。だって、僕のものまねの場合、実際には似てないのがほとんどですから（笑）。そこを笑いでカバーしているだけでね。関根勤さんも「ものまねなんてね、勇気だけなんだよ」って言ってましたけど。普通なら「あんまり似てないからやめよう」ってなりますけど、「似てないけど、俺にはこう見えますよ」というものを堂々と出したら、不思議とそう見えるんです。そんなものまねを、これからもやっていきたいですね。

（撮影＝三宅史郎）

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