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「似てるじゃん」武藤敬司本人から絶賛…ものまね芸人・神奈月の細かすぎるこだわり「ひげフェルトも白髪に」 引退発表はどう受け止めた?
posted2022/08/10 11:01
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Shiro Miyake
「テレビでウケるまでに10年近くかかった」
――武藤さんのものまねを始めたとき、自分を代表するようなものまねになると思いました?
神奈月 思わないですよ。だって、テレビでウケるようになるまで10年近くかかりましたからね(笑)。2000年大晦日に武藤さんが初めてスキンヘッドにした後、僕は武藤さんのものまねを始めたんですけど。あの頃って新日本プロレスのテレビ放送も深夜の遅い時間だったし、武藤さんが頭を剃ったこと自体、プロレスファン以外知られてなかった。だから『アメトーーク!』でやらせてもらったときも、観覧客はシーンとしてて、ひな壇の芸人しかウケてませんでしたから。
――でも、神奈月さんが武藤さんのモノマネを続けたことによって、ものまねで武藤さんを知った人も多いですよね。
神奈月 それは多いかもしれないですね。僕が試合を観に行ったとき、武藤さんが「イヤー!」ってプロレスLOVEポーズをやったら、僕の3列くらい前の人が「神奈月じゃねーんだから!」ってつっこんでたんですよ。「いやいや、向こうのほうが先だよ!」って(笑)。
――神奈月さんのイメージが強すぎて、僕ですら武藤さんの入場シーン観ながら、「ホントに神奈月さんに似てるな~」って思うことがありますからね(笑)。
神奈月 逆に「神奈月のマネしながら出てきたよ!」みたいな(笑)。
初対面はものまね番組での「ご本人登場」
――あと神奈月さんのものまねがすごいのは、本物を知らない人が見ても面白いってことですよね。
神奈月 馳さんのものまねもそういうところがありますから。僕がやってるのは90年代の馳さんですからね。黄色いパンツ穿いて出てきて、甲高い声で「元気出せよー!」って言われても「誰なんだよ」みたいな(笑)。
――元ネタ知ってるのは40代以上の男性ばかりという(笑)。それでも面白いのはやっぱりすごいです。武藤さんと親しくなるきっかけはなんだったんですか?
神奈月 ものまね番組での「ご本人登場」ですね。その時、初めてお会いして、「うわー、すげー! カッコイイなあ」と思ったんですけど、申し訳ない気持ちも半分あったんですよ。こっちはハゲヅラをかぶっちゃってるんで(笑)。