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「チームの真のリーダーは私」トルシエが語る02年日韓W杯の真実と22年日本代表の成熟「私の意図は理解されなかった」

posted2022/08/03 11:02

 
「チームの真のリーダーは私」トルシエが語る02年日韓W杯の真実と22年日本代表の成熟「私の意図は理解されなかった」<Number Web> photograph by Gatty Images

トルシエが率いた2002年の日本代表を中心選手として牽引した中田英寿。チームをベスト16に導いた

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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Gatty Images

 フィリップ・トルシエインタビューの第2回である。
 彼が代表監督を務めた1998~2002年から今日までに、日本サッカーはどれだけの進化を遂げたのか。当時と今の日本代表ではいったい何が違うのか。20年間にわたり日本サッカーを見続けてきたトルシエが語る。(全3回の2回目/#1#3を読む)

――あなたの時代、あなたのチームと比べて今の日本代表は何が違いますか?

「選手のクオリティと経験値に大きな違いがある。私のチームはほぼすべて国内の選手たちだった。とはいえ規律は申し分なく、ボールを保持して相手を走らせる術を心得ていた。どうすればボールを有効に活用できるかをよく知っていた。われわれの攻撃は彼らのように速くはなかった。プレースタイルも戦略も異なっていた。

 比較をすれば、今日のチームの方が屈強かつ、経験が豊富であるのは明らかだ。私は日本とブラジルは同じレベルにあると感じた。両者の違いは私のころに比べるとずっと小さい。フィジカルはブラジルと変わらないし、ほぼすべての選手はブラジル同様にヨーロッパのクラブでプレーしている。比較は以前に比べずっと容易だ。

 今日の日本は2002年に比べずっと強力な武器を持っている。2002年のチームは若く経験が乏しかった。私はチームからコンプレックスを払拭することに成功したが、それでもローカルなチームであることに変わりはなかった。今の日本は世界の最強国とも競い合うことができる。それは明らかで、スター選手はいないが、それぞれのポストにレベルの高い選手を揃えている」

日本サッカーの進化とポジション

――この20年間であらゆるレベルにおいて進歩したということでしょうか?

「そうだ。すべての国が進歩しているが、日本と大国との差は今はずっと小さい。W杯で準々決勝に進める力を備えた国になった。私のときは、準々決勝は大躍進だった。到達するには運も必要だしレフリーの判定も必要だった。くじ運にも恵まれる必要もあったが、今日の日本はベスト8に相応しい国になった」

――たしかに昨日の試合はブラジルが支配し、日本は守備を強いられましたが、違いはディテールであってそこさえ変えていけば十分に戦えるということですね。

【次ページ】 あんなに簡単にボールを与えるべきではない

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