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「クボは絶対フィットできる」現地ファンが期待… ソシエダ久保建英のユニ姿・力強さを日本人カメラマンがいち早く撮った〈子供に神対応〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/08/01 11:01
レアル・ソシエダの一員となってプレシーズンを送る久保建英。「ラ・レアル」のユニフォーム姿も板についている
後半も引き続き出場の久保が登場する際には、子供ファンからの声援が飛んだ(試合後にはファンの撮影リクエストに応じてもいた)。印象的だったのは――監督に対しても、子供を含めたサポーターからの人気が高く、熱烈な声援が飛んでいたシーンだ。
後半もインサイドハーフとして攻撃に絡んだ久保だが、60分、親善試合ということもあり、メンバー総とっかえでピッチを後にした。試合は終盤にホルヘ・アギーレがゴールを奪い、ソシエダが1-0で勝利した。
「俺は57年間ソシオだ。だからクボに言う権利がある」
久保は、随所に足元の正確性という自身の長所を見せて攻撃を牽引したが、シュートを打つ場面はなく、味方の決定機を作り出すまでには至らなかったか。また、ゴール前に走り込んだ場面で、ボールが回って来ず、フラストレーションを見せる場面もあった。
加入から2試合目ということ、またメンバーを落としていた点も大きく影響しているだろう。実際、後半のメンバーであるメリノ、イサク、スビメンディ、レノマンなどのパス回しは安定していた。ここに久保、さらには怪我のシルバ、オジャルザバルなどが入った際に、どのような融合が見られるのか、非常に楽しみで、期待の持てる結果だった。
試合前、おもむろに男が近づき話しかけてきた。
「俺は57年間ソシオだ、だから言う権利がある」
そうやって始まった小長い話をまとめると、「久保に期待している」という。
「マドリーではダメだったけど、ここは若い選手が多い、絶対にフィットできるよ」と。
レンタルされていて、マドリーではプレーしていないことはどうやら知らないようだった。恐らく、この辺りが多くのファンが持つ、久保への認識の平均値かもしれない。マドリーから来た、才能ある若者。その期待は大きい。だからこそ、久保はプレーで納得させなければならない。
冒頭の美食の街に関しても。
翌日はフライトが遅かったため、サンセバ名物のピンチョ(バゲットに様々な食べ物が乗せられたもの)地区に。タクシーの運転手など皆が口を揃え「コロナ前より観光客が多い」というほど、人が溢れていた。行き交う人々に誘われるように、何軒かハシゴをしたピンチョスは、どれもが美味しく、写真映えがした――。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。