「僕も8年目ですから必然的に無責任ではいけないポジション。ただ気の利いたことは言えないので、後輩を見て気がついたら、思ったことを素直に伝え、ちょっとでも背中を押してあげられればいいなって思っています」

200セーブよりも幸せなこと

　やはり自信を持って9回を投げている山﨑は、あらゆる方面でその存在感を際立たせる。ルーキー時代から立ってきた特別な場所。失敗をすれば批判はもちろん、自尊心までをも削られてしまう苛烈なポジションでこそ山﨑はやはり輝くのだと感じずにはいられない。

　節目となる200セーブまで、あと11。メディアは盛んに記録を煽り立てるが、はっきり言って山﨑の興味はそこにはない。

「200セーブというよりも、何度も言いますけど試合をクロージングするマウンドに立たせてもらい投げることに、本当に喜びや幸せを感じているんですよ」

東京ドームでも最終回へと近づくと、観客席に「山崎康晃」の文字が目立つように　©Kiichi Matsumoto

　やっぱり9回の“ヤスアキジャンプ”は格別なんでしょうね、と問いかけると、山﨑はこの日一番の笑顔を見せて言うのだ。

「はい。ハマスタにお客さんが少しずつ増えてきて、僕が心に描いてきた、夢を持って入団してきたときの姿に戻りつつあります。そんな中、実力を発揮することで自分自身が輝くことを一番望んでいるし、ファンの皆さんもきっと期待してくれていると思うので、それを背負って9回に立ちつづけたいと思います」

　集大成と語ったこの1年をどのようにクロージングするのか、後半戦も山﨑のピッチングからは目が離せない。

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