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「ワサビ以外、全部好きかな」日本のおもてなしに感動するメジャーセーブ王、質問に来るロッテの若手選手を「オトウト」と呼ぶ理由
text by
千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines
photograph bySankei Shimbun
posted2022/07/12 06:01
今季途中にマリーンズに加入したロベルト・オスナ投手(27歳)。12歳の時にメキシコ代表として来日した過去も
「アメリカでも日本の野球は練習がしっかりしていると聞いていて、多くのメジャーリーガーも興味を持っている。私も来日して注意して見てみると確かに凄いと思ったよ。私は春季キャンプの時はまだメキシコで途中から来ているから、その練習のすべてに対応をすることは出来ないがアレンジしながらやらせてもらっている。世界一の練習をしていると思う」
緻密にスケジューリングされた試合前練習。選手たちがベストコンディションで試合に臨めるようにと、トレーニングコーチ、コンディショニング担当、トレーナー、栄養士などが一丸となって様々なメニューを用意しており、そのバックアップする組織体制に興味津々になりながら取り組んできた。
「私はその国にいったら、その国のやりかたに従うべきだという考え方をもっている。そちらの方が絶対にうまくいく。今回も本当に日本で色々な経験をして新しい知識を得て自分でも成長をしているのがわかるよ。学ぶのは大事。それは何歳になっても同じだし、どんなキャリアを積み重ねても変わらない。いつだって成長したいと思っている」
若手選手たちに「準備の大切さを教えたい」
自身の成長はもちろん、若い選手たちにとっても頼もしい存在となっている。練習方法などのアドバイスを求められると喜んで説明する。若手選手たちはオスナの調整を見て目を輝かせる。トレーニング時間になると一人、また一人と選手がウェートルームを訪れ、どのような練習をするかに注目し、話しかける。オスナの加入でチームは好循環を生んでいる。
「私は若い時からメジャーでクローザーをやらせていただく機会に恵まれた。だから後ろで投げるということが、どれだけ責任のある重大な仕事かを知っている。その仕事を全うするためには準備が大事だ。簡単な仕事ではない。しっかりと準備をしないと結果は出ない。だから準備の大切さは若い子たちにはしっかりと教えてあげたい事の一つだね。考え、知識を分かち合うことは大事。聞きにきてくれたら心からのアドバイスをする」とオスナ。
ミーティングでも積極的にメモをしてスコアラーのデータに目を通す。一方で試合を見ながら自分自身のノートをつける作業も行っている。
「自分の中で打者を見ていて思ったことを中心に書いている。こういう状況でこのバッターは引っ張る傾向にあるなあとか、逆方向を狙う傾向にあるなあとかね。感じたことを書いているよ」
ロッカーやベンチでこまめにノートに書き留めたり、映像に見入るオスナの姿がある。メジャーでこれだけの実績を持つ選手が地道に努力を重ねている光景を目のあたりにすることは他の選手たちにとって大きな刺激であることは間違いない。